クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その133 モーツアルト ピアノソナタ第11番イ長調K331「トルコ行進曲」 他

2008年08月29日 | とっておきの名盤「器楽曲」
旧ユーゴ(現クロアチア)のベオグラードに生まれたポゴレリチは、恩師でもあり後に彼の妻ともなった名女性教師ゲゼラーゼとの出会いにより一気にその才能を開花させた。
彼の大胆な作品へのアプローチや異常とも思えるようなテンポの設定、そして甘美を極めるような音色は、すべてゲゼラーゼが植えつけたものともいわれている。 
彼がショパン国際コンクールでファイナリストになれず、この決定に激怒したアルゲリッチが審査委員を辞退したという逸話は良く知られているが、その事が彼が世界的な演奏活動を繰り広げるきっかけになったというのも面白い。
ポゴレリチがモーツアルトを弾くこの盤、気品と退廃とが隣り合わせの危険な世界を実感させるとか悪魔的な魅力を持つとか評される彼の演奏が、この作品の表現にどう反映しているのか、購入時にとても気になった一枚。
このソナタ、第一楽章は変奏曲で第二楽章はメヌエット、そしてフィナーレはトルコ風のロンドとソナタ形式が一つも無い異色の作品だが、良い意味でその事がポゴレリチの個性的な表現にぴったりと合っているのか、その自在な語り口はとにかく魅力的としか言いようが無い。
とっておきの名盤として文句のつけようが無い一枚といえる。
イーヴォ・ポゴレリチ<P> <Grammophon>
このとっておきの名盤は一枚ものだが、全集ものも是非あげておきたい。
・クラウディオ.アラウ(1977~1988録音)<Philips>
・リリー.クラウス(シャルラン1956録音)<EMI>
・ダニエル.バレンボイム(1984年録音)<EMI>
番外としてワルター.クリーン<VOX>

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