クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

大磯町、高麗神社から県立城山公園へ

2006年10月30日 | ウォーキング
神奈川県大磯町
コース順路:コース満足度★★★★
高麗神社(高来神社)→鴫立庵→パンの蔵→島崎藤村旧宅→旧東海道松並木→滄浪閣→県立城山公園

高句麗からの渡来人、高麗王若光を中心とする集団が大磯に住みつき、後に武蔵に移るわけだが、残された人達が若光を祭神とする氏神として造ったのが高麗神社の由来。
ここを訪れたからには武蔵(日高市)の高麗神社も訪れないわけにはいかなくなった。
 

西行がこの地で詠んだ「 こころなき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ 」は、私の好きな歌のひとつ。
ゆかりの鴫立庵を訪れる。


おいしいパン屋さんの「蔵」でパンを買い、その足で旧島崎藤村宅へ向かう。


すぐ先の旧東海道松並木の道は、空気がひんやりとしておいしい。
松並木を抜けたら、すぐ左側に旧伊藤博文邸だった滄浪閣がある。

少し歩いて旧三井財閥邸宅跡を利用した日本情緒に富んだ県立城山公園にたどり着く。
展望台からの相模湾の眺めは素晴らしく、伊豆半島はもちろん晴れた日には富士山も見える。


中身の濃いコースに満足しつつ、大磯駅経由のバスに乗り帰宅。

とっておきの名盤 その51 ヴェルデイ 「レクイエム」

2006年10月29日 | とっておきの名盤「声楽曲」
1960年、最晩年のライナーがRCA専属の歌手陣を伴い、DECCA専属のウィーン・フィルとの夢の競演を行った一枚。
この演奏は、異様なまでにテンポが遅い。
普通7分30秒~9分30秒程で演奏される第一楽章を何と12分18秒で演奏している。
しかしその遅めのテンポの中で、ライナーは持ち前の厳しさと緊張感を崩すことなく、ヴェルデイの慈しみの旋律をじっくりと歌わせる。
それに応えるかの様に、魂を込めて歌う歌手陣や合唱団のカンタービレに溢れた豊かな表現が素晴らしい。
一時、TVのコマーシャルに使われて有名になった「怒りの日」の激しさも、尋常ではない。
この年の9月に亡くなったビヨルリンクの力強い歌唱、プライスの天にも突き抜けるかの様な透き通った歌声、それをバックアップするウィーンフィルの音色が何とも云えない。
発売当時のジャケットでないのが残念だが、この曲の演奏では抜き出た一枚である。
この曲のベストスリーは、
・フリッツ・ライナー指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、レオンタイン・プライス<S>、ロザリンド・エリアス<A>、ユッシ・ビョルリンク<T>、ジョルジョ・トッツィ<B>、ウィーン楽友協会合唱団 <DECCA>
・ゲオルク・ショルテイ指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ジョン・サザーランド<S>、マリリン・ホーン<Ms>、ルチアーノ・パヴァロッティ<T>、マルッティ・タルベラ<B>、ウィーン国立オペラ合唱団 <LONDON>
・カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、エリザベート・シュワルツコップ<S>、クリスタ・ルートヴィッヒ<Ms>、ニコライ・ゲッタ<T>、ニコライ・ギャウロフ<B> <EMI>

COOL STRUTTIN’ 「クール・ストラッティン」

2006年10月27日 | ジャズ&ヴォーカル
ジャケットの魅力に惹かれて真っ先に手にするのが、まずこの盤だろう。
”ニューヨークのビジネス街、朝の通勤に急ぐ足取り”、そんな日常のシーンの一こまが絵になるのが面白い。
次のステップに移ろうとする淑女の伸びやかな脚が、これ程見る人を惹きつけるとは思いもよらなかった。
そのイメージを彷彿とさせるタイトル曲「クール・ストラッティン」がやはり魅力十分。
ジャズ入門曲としてあまりにも有名な曲、いまさら説明不要と叱責を受けそうなので、話はこの辺で終わりにしてこの曲を早速スタート!
朝のコーヒーを飲みながら、朝刊に目を通そう。
・アート・ファーマー<trumpet>、ジャッキー・マクリーン<altosax>、ソニー・クラーク<piano>、ポール・チエンバース<bass>、フィリー=ジョー・ジョーンズ<drums> <BLUE NOTE>

「歌姫」

2006年10月26日 | 中島みゆき
  
中島みゆきの歌はすべてお気に入りなのだが、中でも一番好きなのが「歌姫」。
彼女にのめり込むきっかけになったのもこの曲。
もうだいぶ昔になるが、たまたまTVで伍代夏子、坂本冬美ともう一人(名前を思い出せず)の3人で歌う「歌姫」に巡り合う。
潮風の中、デッキにたたずみ、”歌姫”が歌う投げやりともいえる詞が、何故か私の心を揺れ動かす。
アルバム「寒水魚」は、「歌姫」のほかに「悪女」、「捨てるほどの愛でいいから」も入っているお勧めの一枚。
クラッシックの合間に彼女の歌に浸るのも、いつもと違った雰囲気の中でリラックス気分が味わえて楽しい。


とっておきの名盤 その50 モーツアルト 歌劇「フィガロの結婚」

2006年10月23日 | とっておきの名盤「オペラ」
今世紀を代表する巨匠ジュリーニ45歳の年、1959年の若さに溢れた颯爽とした演奏。
この曲で特によく聴く好きな場面は、伯爵が歌う "Conoscete,signor Figaro" から始まる第2幕終わりの所。
この魅力的な場面で、私の特に好きな歌手、ヴェヒターとタッデイの傑出した歌唱が聴けるのが何とも嬉しい。
モーツアルトのアンサンブルの面白さが、これ程自然で音楽的に流れる例は稀だ。
今年はモーツアルト生誕250年の年、静かな秋の夜、この曲この盤にじっくりと耳を傾けたい。
この曲のベストスリーは、
・カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、、エバーハルト・ヴェヒター、エリザベート・シュワルツコップ、ジュゼッペ・タッデイ、アンナ・モッフォ、フィオレンツァ・コッソット <EMI>
・オットー・クレンペラー指揮、ニューフィルハーモニア管弦楽団、ガブリエル・バキエ、エリザベート・ゼーダーシュトレーム、ゲレィント・エヴァンス、レリ・グリスト、テレサ・ベルガンサ <EMI>
・カール・ベーム指揮、ウィーン交響楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、パウル・シェフラー<Br>、セーナ・ユリナッチ<S> 、ワルター・ベリー<Br>、リタ・シュトライヒ<S>、クリスタ・ルートヴィッヒ<S> <Guild>

とっておきの名盤 その49 ベートーヴェン 序曲集

2006年10月20日 | とっておきの名盤「管弦楽曲」
ベートヴェンが作曲した序曲を、クレンペラーが熱を込めて演奏した一枚。
この盤には、歌劇「フィデリオ」の上演の為に作曲された序曲4曲が作曲順に並べられている。
聴き通すうちに、作曲を繰り返したベートヴェンの苦労、努力が聴き手に伝わり、共鳴を覚えると共に、その執念に頭を垂れざるを得ない。
中でも私の愛聴曲でもある、古今の名序曲とされる「レオノーレ序曲第3番」の充実した内容は特別のものだ。
高校3年の頃、バーンステイン指揮のEP盤を、何度も何度も聴いた思い出がある。
その若々しい颯爽とした演奏、中でも大臣の到着を告げるトランペットのファンファーレ、そして有名なフルートの奏でる青春の息吹を伝える第一主題の感動的な調べに、何度も泣かされた思い出は忘れられない。
クレンペラー盤には若者の颯爽さは無い、しかしその独特の深みと個性ある演奏は、若さの欠如を補って余りある。
この盤にはストーリー性があり、聴く者に何かしらの関心を惹かす一枚といえる。
お勧めの盤は、
・オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団 <EMI>
・レナード・バーンステイン指揮、ニューヨークフィルハーモニック <CBS>

とっておきの名盤 その48 マーラー 交響曲「大地の歌」

2006年10月18日 | とっておきの名盤「交響曲」
マーラーの愛弟子であったワルターは、この曲を1911年に初演している。
しかし、この年すでにマーラーはこの世の人ではなかったという。
ワルターは初演の時どんな思いでタクトを振ったのか、想像するだけで胸が一杯になる。
この曲のクライマックス、「告別」での ”永遠に、永遠に”を繰り返すフレーズではマーラーに対する惜別の念がつのり、タクトを震わして指揮したのではないだろうか。
ワルターが残したこの盤は、まさしく初演の時の感動的な演奏をまざまざと思い起こしてくれる。
さらに、この盤で不世出の名アルト歌手フェリアーが歌う「告別」の深みを、何といって表現したら良いのだろう。
とにかく絶唱である。
この盤の録音の時 がんに侵されていた彼女が ”ewig,ewig”のフレーズに託した想いが、聴き手の胸に深く突き刺さる。
いわゆる定番と呼ばれる名盤だが、素直に手元に置いておきたい一枚だ。
この曲のベストファイヴは、
・ブルーノ・ワルター指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、キャスリン・フェリアー(コントラルト)、ユリウス・パツァーク(テノール) <DECCA>
・オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、クリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ)、フリッツ・ヴンダーリッヒ(テノール) <EMI>
・レナード・バーンスタイン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ジェームス・キング(テノール) <LONDON>
・ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮、BBC北部交響楽団、アルフレダ・ホジソン(アルト)、ジョン・ミッチンソン(テノール) <BBC>
・ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨークフィルハーモニック、ミルドレッド・ミラー(メゾ・ソプラノ)、エルンスト・ヘフリガー(テノール) <CBSSONY>
唯一クレンペラー盤がワルター盤の高みに近ずいている。

とっておきの名盤 その47 J.S.バッハ チエロとチェンバロのためのソナタ全集

2006年10月14日 | とっておきの名盤「室内楽曲」
「チエロのプリンス」と呼ばれたフルニエの、気品に溢れた精神性の深い演奏にまず惹かれる。
フランスを代表するチエリストで1953年には、レジョン・ドヌール勲章を受けている。
バッハは彼の得意とする分野で、「無伴奏チエロ組曲」をはじめとして、どれも一級の演奏を残している。
チェコ生まれの女流奏者ルージィチコヴァも、バッハの名手だけあってフルニエとの息の合った演奏は素晴らしい。
この盤に含まれる曲は、どれも夜更けの静かなひと時に耳を傾けて欲しい、とっておきの癒しの名品といってよい。
とにかく何度聴いても飽きが来ない、お勧めの一枚だ。
次点として、ヴィオラ・ダ・ガンバによる名演奏を挙げておく。
・ピエール・フルニエ<チエロ>、スザナ・ルージィチコヴァ<チェンバロ> <ERART>
・ヴィーラント・クイケン<ヴィオラ・ダ・ガンバ>、グスタフ・レオンハルト<チェンバロ> <EMI>

とっておきの名盤 その46 シューベルト 歌曲集「冬の旅」

2006年10月12日 | とっておきの名盤「声楽曲」
「冬の旅」は好きな歌曲集で、コンサートもハンス・ホッターとヘルマン・プライが来日した時、聴いている。
何故かフィッシャー=ディースカウのコンサートには、残念な事に行く機会に恵まれなかった。
フィッシャー=ディースカウはこの歌曲集が好きだったのだろう、何と7回も録音している。
この盤は4回目の録音、声が最盛期であった40代後半の頃のものだ。
とにかく上手い、これ程上手く歌える歌手はもう二度と現れると思えない程だ。
上手いという事と好き嫌いは別の問題なので、これが絶対に良いという訳ではないが、「冬の旅」が聴きたくなるとつい手が伸びてしまうのがこの盤。
録音が非常に良くて、装置のモニター用としてもこの盤を利用している。
この曲のベストスリーは、
・ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーア<Pf> 1972年録音 <Grammophon>
・ハンス・ホッター、エリック・ヴェルバ<Pf> <Grammophon>
・ゲルハルト・ヒュッシュ、ハンス・ウド・ミュラー<Pf> <EMI>

とっておきの名盤 その45 ベートヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」作品73

2006年10月09日 | とっておきの名盤「協奏曲」
この曲を録音した時、88歳だったという巨匠ルービンシュタインの年齢にまず驚くというか、畏敬の念を覚える。
伴奏を務めたバレンボイムは、まだ若干33歳だった。
若い時は、ただただ楽しくピアノを弾けば良いという様な演奏であったが、年を重ねてルービンシュタインの演奏は一変した。
悟りといっても良い高みの境地を極め、遅めのテンポで魂を込めて弾くピアノの響きは慈愛に満ち、まさに王道を往く表現に到達した。
まことの音楽とは何かということを、真正面から教えてくれる貴重な一枚だ。
この曲のベストファイヴを挙げると、
・アルトゥール・ルービンシュタイン、ダニエル・バレンボイム指揮、ロンドンフィルハーモニック管弦楽団 <RCA>
・ウイルヘルム・バックハウス、ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・ルドルフ・ゼルキン、レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨークフィルハーモニック管弦楽団 <CBS>
・フリードリッヒ・グルダ、ホルスト・シュタイン指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・ルドルフ・ゼルキン、小沢征爾指揮、ボストン交響楽団 <TELARC>

駒場野公園と美術館めぐり、そしてオーチャードホールへ

2006年10月08日 | ウォーキング
コース順路:コース満足度★★★★
駒場東大前(京王井の頭線)→駒場野公園→日本民藝館→旧前田侯爵邸→渋谷区立松涛美術館→鍋島松涛公園→戸栗美術館→オーチャードホール(Bunkamura)

駅を降りると、「駒場野公園」は右に歩いてすぐ目の前にある。
中に入ると鬱蒼とした森、歩道も土で森林浴が楽しめる。

公園を出て踏み切りを渡った道端の店、かわいらしい猫や犬の小さな置物が並べて飾ってある。


少し歩くと、美学者の柳宗悦を中心に創設した「日本民藝館」がある。
「柳宗悦と朝鮮民画」と題する特別展が開設されていて、李朝時代の絵文字や陶磁器の数々を興味をもって観ることが出来た。
柳宗悦の妻は、日本最初の本格的なアルト歌手の柳兼子女史である。

その先に、加賀前田家16代当主の本邸であった「旧前田侯爵邸」洋館と和館がある。
洋館は昭和4年に建てられた時、東洋一と称された程の立派な建物で、無料開放されており中に入るとその豪華さには本当にびっくりする。


和館にある庭の眺め。素晴らしい造りである。


20分ほど松涛方面を目指しひたすら歩く。
渋谷区立松涛美術館(展示ばかりでなく内部の構造がユニークで楽しい)
鍋島松涛公園(紀州徳川家の下屋敷だった所、鍋島家が茶園を造ったのが始まり)
戸栗美術館(陶磁器専門の美術館、約7000点の収蔵数)
中に入りたかったが時間が無くなり、次回を期して通りすぎる。

お目当ての渋谷Bunkamura、オーチャードホールに到着。
ウクライナ国立歌劇場による引越し公演、プッチーニの歌劇「トゥーランドット」を観劇する。
とにかく好きなプッチーニのライヴ演奏を聴けたことに感謝!感謝!である。
 

JUDY AT CARNEGIE HALL 「ジュディ・アット・カーネギーホール」

2006年10月06日 | ジャズ&ヴォーカル
1961年、カーネギーホールでのライヴ録音。
その年、グラミー賞の「アルバム・オブ・ジ・イヤー賞」に輝くと同時に、彼女も最優秀女性歌唱賞を受賞。
ダイナショアの項でも述べたが、彼女の歌の上手さは図抜けていて特別のもの。
オープニング・ナンバー「君微笑めば」から始まり、”ミス・ビジネス・ショー”と呼ばれた通りの熱い歌を次々と展開する。
フィナーレに近づき、魂を絞って歌う「虹の彼方に」は、涙なしには聴けない。
その後、「スワニー」「君去りし後」と素晴らしい歌が続き、最後の「シカゴ」の歌唱は圧巻。
このアルバムは、ヴォーカル好きにはバイブル的な存在と言って良い。
彼女は1969年に睡眠薬の飲みすぎで、残念なことに亡くなってしまった。
47歳だった、その葬儀には約2万人のファンが参集したという。
・ジュディ・ガーランド、モート・リンゼイ指揮&オーケストラ <Capitol>

とっておきの名盤 その44 J.S.バッハ ゴールドベルク変奏曲BWV988

2006年10月06日 | とっておきの名盤「器楽曲」
これは名盤中の名盤として昔から幾度と無く語り継がれてきているし、ここでとやかく言うのは厚かまし限りなので、説明は省略。
とにかくグールドの天才的な演奏に脱帽。
眠れない人、音楽が好きな人、バッハが好きな人、ピアノが好きな人、全員この盤を座右に置くべきであろう。
この曲でレコード界にデビューし、センセーショナルを巻き起こした1955年の演奏も面白い。
愛聴盤を好きな順に並べると、
・グレン・グールド(ピアノ)1981年 <CBS>
・グレン・グールド(ピアノ)1955年 <CBS>
・アンジェラ・ヒューイット(ピアノ) <Hyperion>
・スザナ・ルージィチコヴァ(チエンバロ) <ERART>
・ロザリン・テューレック(ピアノ) <Grammophon>
・ウィルヘルム・ケンプ(ピアノ) <Grammophon>

とっておきの名盤 その43 ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」抜粋

2006年10月05日 | とっておきの名盤「オペラ」
 
オリジナル・マスターズ<3枚組>(左)、LP盤のジャケット(右)
LP盤を購入したのは、大学2年の時だったと思う。
ジャケットの絵がとても心を惹きつけるものがあったし、当時ワーグナーの魔力に取り付かれていた事もあり、すぐに購入したのを覚えている。
その後、この盤を何度聴いたことだろう。
盤が擦り切れれば擦り切れるほど、愛着の思いが一層募るばかりだ。
LP盤には「第2幕第2場」全部と「イゾルデの愛の死」という、この楽劇の中でも最高の場面が収められている。
短い前奏曲の後、イゾルデ!トリスタン!の情熱的な叫びから始まる場面から後半の陶酔的な愛の二重唱までの音楽の高み・深みは尋常なものでない。
聴き手は、深遠な愛の呪縛に締め付けられること必定だ。
イゾルデとトリスタンを歌うヴァルナイとヴィントガッセンのせっぱづまった激し問い掛けが、耳に焼き付いて離れない。
その歌唱の素晴らしさは、いろいろなブログ等で何度も賞賛されているので、ここではこれ以上の記述は省略する。
今年の9月にヴァルナイ女史が亡くなったという記事を「音源雑記帖」という中身の濃いブログで知った。
遅ればせながら、ご冥福をお祈りいたします。
このLP盤の演奏は、「オリジナル・マスターズ<アストリッド・ヴァルナイ>」3枚組CDの2枚目に収録されている。
スタジオ録音なので、楽器や歌声の音色が非常に魅力的だし、ワーグナーをもっと録音して欲しかったと思わせるライトナーの指揮ぶりが印象的だ。
とにかくワーグナーファン、なかずんば青春の情熱の思いに浸りたい方には絶対のお勧めである。
・アストリッド・ヴァルナイ、ヴォルフガング・ヴィントガッセン、ヘルタ・テッパー、フェルディナント・ライトナー指揮、バンベルグ交響楽団 <Grammophon>



とっておきの名盤 その42 モーツアルト ヴァイオリン・ソナタ集

2006年10月03日 | とっておきの名盤「室内楽曲」
モーツアルトが子供の頃から特に親しんできた楽器による曲だけあって、どの曲も聴き始めると楽しいことこの上ない。
後半の曲になってくると、深みも加わり一層充実したひと時をすごせる。
まさに、「モーツアルトを聴く楽しみ」ここにありと言って良い。
当時60歳を超えたグリュミオーのヴァイオリンは、円熟の極みと言って良い艶やかな音で、モーツアルトそのものを奏でる。
クリーンはモーツアルトの名演奏家と言われただけあって、曲が持つ軽やかさから憂いのある深みまで、グリュミオーと対等に渡り合って至福の音楽を作り出している。
録音も非常に優秀で、ヴァイオリン、ピアノの音の艶やかさはひとしお。
4枚組の全集だが、座右の愛聴盤として是非持っていたい名盤である。
・アルテュール・グリュミオー<Vn>、ワルター・クリーン<Pf> <PHILIPS>