クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

とっておきの名盤 その108 ブルックナー 交響曲第8番 ハ短調

2007年11月29日 | とっておきの名盤「交響曲」
SP盤が全盛だった時代に、世界の五大指揮者と言われていたのが、ワインガルトナー、メンゲルベルク、トスカニーニ、ワルターそしてフルトヴェングラーというそうそうたる面々だった。
この中に、ブルックナーの名指揮者だったクナッパーツブッシュやシューリヒトの名前が聞かれなかったのは残念。
もっともこの時代、ブルックナーの曲はSP盤には長すぎるので、商業主義の対象から彼らは外されていたのかも知れない。
LPの時代になって、この曲の名盤として一躍脚光を浴びたのがシューリヒトの盤、彼独特の速いテンポの中でしっかりと歌うブルックナーの旋律が何とも印象的だ。
是非座右の盤として、クナ盤と並んで何度となく聴いてほしい一枚。
好きな曲だけに、私の特別の棚にある「とっておきの名盤」の中には、六種類ものこの曲の名盤が鎮座している。
それらのCDを以下にあげておくと、
.ルドルフ・ケンペ指揮、チューリッヒ・トーンハーレ管弦楽団 <SOMM> 
.オトマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン <Berlin Classics>
.ハンス・クナッパーツブッシュ指揮、ミュンヘン・フイルハーモニー管弦楽団 <Westminster>
.カール・シューリヒト指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <EMI>
.カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
知られざる銘盤として、
・ホーレンシュタイン指揮、ウイーン・プロムジカ管弦楽団、1950年代の演奏<VOX>


とっておきの名盤 その107 R.シュトラウス 歌曲集

2007年11月23日 | とっておきの名盤「声楽曲」
私はR.シュトラウスは歌曲の作曲家として、もっと多くのファンにその作品を愛聴されていても良いのではないかと思っている。
曲のわかり易さ、入りやすさから云って、最も聴かれているシュトラウスの作品群は一連の交響詩だと思う。
楽劇たちはどうなのと言われるかもしれないが、それはさておき、彼の生涯を通して書かれた歌曲たち、小さな花々なのかもしれないが、その密やかともいえる語りに不思議に惹かれる自分を禁じえない。
歌曲の王シューベルトの類稀な旋律、ロマンチックな花を咲かせるシューマンの歌の調べ、それらの魅力を否定するつもりはさらさら無いが、何故かシュトラウスの歌には前者にも増して惹かれる一層の魅力を感じる。
理由をあげよといわれても、とにかく何度聴いても飽きが来ない不思議な魅力を覚えるとしか言いようが無い。
初期の作品群が好きなのだが、特に気に入っている歌を作品順に並べると、「献呈」、「夜」、「万霊節」、「帰郷」、「セレナード」、「いこえ、わが魂」、「明日には!」・・・とロマンチックなタイトルが続いていく。
歌い手は、男性はディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、女性ならリーザ・デラ・カーザに尽きる。
ここで推すとっておきの名盤は、ディースカウが歌う六枚組みのもの、シュトラウスの歌曲群が殆ど網羅されているし、その内容は申し分の無い素晴らしさで、文句の付けようが無い。
この作曲家の歌曲集のベスト・スリーをあげておくと、
・リーザ・デラ・カーザ、サンドール<Pf> <eurodisc>
・ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーア<Pf> <EMI>
・ヒルデ・ギューデン、フリードリッヒ・グルダ<Pf> <LONDON>
番外として、不世出の名歌手ハインリッヒ・シュルスヌスが歌う「献呈」を含む隠れた名盤を挙げたい。
・「歴史的名歌手によるR.シュトラウス歌曲名曲選」 <ACANTA>


桜ヶ丘公園と旧鎌倉街道を歩く

2007年11月16日 | ウォーキング
コース順路:コース満足度★★★
小田急永山駅→(バス)→桜ヶ丘公園→旧多摩記念会館→高西寺→春日神社→熊野神社→延命寺→観蔵院→(バス)→小田急永山駅

この散歩、前半は明治天皇が訪れたことを記念する「聖蹟」とか「行幸」とかの地名が残されたおだやかな起伏の丘陵をゆっくりと歩く。
後半は府中から続く旧鎌倉街道沿いにある神社仏閣を巡るお決まりの内容。

広々とした丘陵を生かした造りと、きれいに整備された桜ヶ丘公園、歩くだけでも何とも清々しい。
公園の中央には天皇が訪れたことを記念して建てられた円形の建物(旧多摩聖蹟記念会館)があり、中には明治天皇騎馬像や坂本竜馬肖像の掛軸など、なかなか価値がありそうな展示品が置かれている。
 

公園を出て少し進み、旧鎌倉街道の近辺にある神社仏閣を足の向くまま訪れる。
順に名称を記すと、高西寺(曹洞宗)、春日神社、熊野神社、延命寺(時宗)。
 

 

最後に訪れたのは観蔵院と言う曹洞宗の寺、この宗派の庭の手入れには、何処を訪れてもその立派さ、見事さにいつも感心させられる。
中に置かれている七福神、何がどの神様なのか当てて欲しいので、名称はあえて伏せておく。
  

  

  

  

しばらくぶりの近郊の散歩、秋の爽やかな風を浴び、とても気持ちの良い歩きをすることが出来た。


とっておきの名盤 その106 R.シュトラウス 楽劇「ばらの騎士」 

2007年11月05日 | とっておきの名盤「オペラ」
 

一昔前は、カラヤンの旧盤と共にこの盤が「ばらの騎士」ファンをニ分していた。
私は魅惑的な音色で魅了する録音の良さも含め、ベーム盤の贔屓だった。
この曲が初演されたのは1911年のドレスデン、作曲家と親交があったベームが指揮するこの盤は、まさしくその伝統を引き継いだ直伝の演奏と言うことになる。
元帥夫人が長々と歌う想いの深い独白や、オックス男爵の歌の背景に奏でられるワルツなどを聴いていると、モーツアルトの「フィガロの結婚」、そしてJ・シュトラウスのウィーン情緒豊かなワルツを思い浮かべるのも、この曲に親しみを覚える一因かもしれない。
若い頃に最初に手にしたこの曲のレコードは、第二幕「ばらの献呈」の場のジャケットの美女に惹かれて購入したベーム指揮の抜粋盤(写真右)だった。
そして盤が擦り切れるほど聴き込んだ思い出は、今でも忘れられない。
第二幕のゾフイーとオクタヴィアンの二重唱や、終幕の三重唄の魅惑的な音楽にどれほどのめり込んだか、とにかく語り尽くせないものがある。
歌手陣は、元帥夫人のシェヒが若干物足りないのを除けば、他は文句の言いようが無いほどの素晴らしさだ。
とっておきの名盤としてどうしても落とせない一枚。
あえてこの曲のベストファイヴをあげると、
・カール・ベーム指揮、ドレスデン国立管弦楽団、ドレスデン国立歌劇場合唱団、マリアンネ・シェヒ<S>、クルト・ベーメ<B>、イルムガルト・ゼーフリート<S>、リタ・シュトライヒ<S>他 <Grammophon>
・レナード・バーンスタイン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、クリスタ・ルートヴィヒ<Ms>、ギネス・ジョーンズ<S>、ルチア・ポップ<S>、ワルター・ベリー<Br>他 <CBS>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、リーザ・デラ・カーザ<S>、オットー・エーデルマン<B>、セーナ・ユリナッチ<S>、ヒルデ・ギュ-デン<S>他 <Grammophon>
・カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、クリスタ・ルートヴィヒ<Ms>、テオ・アダム<B>、タチァナ・トロヤノス<S>、エディット・マチス<S>他 <Grammophon>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、アンナ・トモワ=シントウ<S>、クルト・モル<B>、アグネス・バルツァ<Ms>、ジャネット・ベリー<S>他 <Grammophon>