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早いもので、1980年10月にダン・タイソンが、第10回ショパン・コンクールで東洋人初の優勝を遂げてからもう32年になる。
彼は1958年ヴェトナムのハノイ生まれだが、研鑽を積んだのは留学先のモスクワ音楽院が主であった。
コンクールではマズルカ賞、ポロネーズ賞、コンチエルト賞も同時に獲得しているので、彼がアジアを超越した国際的なピアニストであることを十分に証明したことは間違いない。
残念なことに、当時、西欧の有名なピアニストばかりに注目していた私は、彼のことを全く無視していたのは痛恨の極みだったと言える。
そして今、このCDを耳にしたのだが、聴こえてくる音楽はまさにショパンそのもの、長年追っかけていたショパンの極みの音だった。
とにかく、これほど美しい歌に満ちた音の響きと叙情的な音の流れを聴かせてくれるピアニストだったとは思っても見ないことだった。
いまさらながらだが、しばらくは彼の演奏に注目し、そして追っかけて行きたいなという気持ちに駆られている。
まずは「この曲この一枚」のこの盤に、しばし耳を傾けて欲しいと思う。
ダン・タイソン<P> <Victor>
ほかにこれはと思う盤はないのだが、手元にある推奨盤をあげてみる。
・イーヴォ・ポゴレりチ<P>:ショパン・リサイタル「ピアノ・ソナタ第2番ほか」<Grammophon>
・サンソン・フランソワ<P>:ピアノソナタ第2番、第3番 <EMI>