すでに掲載したドイツ・レクイエムやブランデンブルグ協奏曲の記事でこの指揮者の素晴らしさは既に述べているので、ここではあえて紹介するのはやめにしておく。
ただ私にとって最も遠い存在の作曲家、ハイドンの作品を身近に聴かせてくれたのは喜ばしい。
「最も遠い存在」という意味は、ハイドンの有名な作品も含めて名演と言われる演奏を聴いてさえ、一度もそれらの曲に親しみを覚えたことがないということ。
たまに聴いても面白みがなくて、曲の途中でCDを止めてしまうのが常。
今回、コッホ指揮のこの「天地創造」の演奏を聴いているうち、曲の最後まで音楽が鳴り続けたということは特筆に値する。
ほかの指揮者の演奏では到底聴けるとは思えない深いその響きは、ハイドンの曲とは思えないほどのもので、このCDを「この曲この一枚」として挙げない訳にはいかい。
そしてハイドンが、私にとってもう少し近い存在になったかもしれないということを嬉しく思う。
・ヘルムート・コッホ指揮、ベルリン放送交響楽団、ベルリン放送合唱団、レギーナ・ヴェルナー<S>、ペーター・シュライヤー<T>、テオ・アダム<B> <DeutscheSchallPlatten>
この曲この一枚 その26 ブラームス ドイツ・レクイエム 作品45
とっておきの名盤 その149 J.S.バッハ ブランデンブルグ協奏曲 全6曲