クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

柿生、茶臼山緑地~王禅寺ふるさと公園~籠口ノ池公園を歩く

2009年02月25日 | ウォーキング
コース順路:コース満足度★★★
小田急線柿生駅→茶臼山緑地→むじなが池公園→白山神社→王禅寺ふるさと公園→王禅寺→琴平神社→籠口ノ池公園→月読神社→浄慶寺→秋葉神社→小田急線柿生駅

朝からとても良い天気だし、家にこもっていてもしょうがないので、小田急線柿生駅からの約7.5キロほどの散歩道「小田急沿線自然ふれあい歩道」王禅寺コースを歩くことにする。
この地、旧王禅寺村は徳川家二代将軍秀忠の夫人お江与の方の嫁入りの際に与えられた領地(御化粧領)で、お江与の方と秀忠が亡くなった後の1632年には徳川家の菩提寺である芝・増上寺の領地(御霊屋領)となった所だという。

コースの地図が解りにくいのか、最初から道を間違えてしまい、むじなが池公園の中を歩くはずが、外のわき道をとぼとぼ歩く羽目に。
公園のすぐ先には、王禅寺村の鎮守五社のひとつとされる白山神社が鎮座している。
祭神の白山媛命(はくさんひめのみこと)は、記紀神話の女神”菊理媛神(くくりひめのかみ)”とも云われる。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が伊弉冉尊(いざなみのみこと)を追って黄泉国に至り、そこから逃げ帰ろうとして黄泉平坂で争った時、この女神がその間に立ってニ尊の主張を伝え助言をしたので、無事に死の国から脱出できたとされている。
 

和風庭園の様式を取り入れた王禅寺ふるさと公園は綺麗に整備されていて、訪れている多くの人々が気持良い表情で散策を楽しんでいる。
近くにある王禅寺は真言宗豊山派の古寺で、本尊は聖観音菩薩、室町時代には真言密教の道場となり「東国の高野山」と称されたらしい。
 

新田義貞の鎌倉攻めで焼失した王禅寺の再建ため、1370年に等海上人が寺の用材を求めて山中奥深くに入った際、甘みのあるカキを発見し村人たちに栽培を勧めたのが有名な禅寺丸柿の始まりだと云い、庭にはその原木を見る事が出来る。
入り口から山門までは、脇の白梅が満開なのと、湧水が流れる長い参道が続き、とても趣深い情景となっている。
王禅寺を出て少し行くと「柿生のこんぴらさん」と呼ばれる琴平神社があり、正月などは多くの参拝客が訪れるとのこと。
 

また道を間違えて、コース予定外の子ノ神社にたどり着く。
祭神は大国主命、説明板には「古事記によると・・・大国主命が素盞嗚尊の娘、須勢理毘売命と婚姻するに当たり、父の出す数々の試練をお受けになられました。
野火の試練をお受けになられたとき1匹の鼠が現れ、地中の洞穴に大国主命を導き火難をお助けになりました・・・とあり、鼠は大国主の神使とされ、神使の名前を”十二支”の子になぞられ、神社名になったと言われます。」と書いている。
次にこれも古事記に現れる祭神、月読命を祀る月読神社を訪れる。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉国から逃げ帰って禊をした折、右の目を洗った時に生まれたのが月読命とされている(ちなみに天照大神は左の目、須佐之男命は鼻を洗った時)。
月と農耕、月と海の潮の干満との結びつきを示す古代の人々の信仰を表す伝承でもある。
 

千本を越えるアジサイが植えられ、「柿生のあじさい寺」と呼ばれている浄慶寺と、すぐ横にある秋葉神社はを訪れる。
秋葉神社は江戸時代、領主三井家が火防、厄除け、五穀豊穣、諸民安穏を祈願して遠州秋葉神社の火伏の神を勧請して建てられたという。
 

浄慶寺の境内には、面白い表情や動作をした多くの石仏が所狭しと置かれており、訪れる人々をとても和やかな気持ちにさせてくれる。
将棋を指していて、待ったをする相手の悔しそうな表情を見て、勝ち誇ったように笑う和尚さん、思わず微笑んでしまう。
これが好きな囲碁なら、待ったしたい気持ちをもっと切実に感じてしまうかもしれない。
 

このコースは神社が多く、古事記の神話をたどる興味深い散歩でもあった。
古事記

とっておきの名盤 その145 ワーグナー 楽劇「ジークフリート」

2009年02月14日 | とっておきの名盤「オペラ」
  
1955年にカイルベルトが指揮したバイロイト音楽祭の「ニーベルンゲンの指輪」、それがステレオで録音されていたというニュースにはワーグナー・ファンを始め、多くの音楽ファンが驚いた。
この録音が英テスタメントから発売され、日本では2006年に「神々の黄昏」を除く三作でレコード・アカデミー賞を受賞したのは記憶に新しい。
私としては四部作の中でも、この「ジークフリート」が一番出来が良かったと思っている。
カイルベルトの一気呵成に聴かせる覇気ある指揮のなか、最盛期のヴィントガッセン、ホッター、そしてヴァルナイがその素晴らしい声の魅力をたっぷりと聴かせてくれている。
まさに「バイロイト音楽祭の黄金期の記録」といってよい。
前にこのブログで紹介したフラグスタートとスヴァンホルムの熱唱が聴ける「ジークフリート」と並んで、とにかく外すことが出来ないとっておきの演奏といえる。
カイルベルトは1953年にバイロイトで「ローエングリン」も指揮をしていたが、これがロマンの極みとも言う歌を聴かせてくれる素晴らしい演奏で、とっておきの名盤の中でも最愛の一枚となっている。
ブルックナーでも6番と9番で、無骨ではあるがなかなか魅力的な演奏を聴かせてくれたカイルベルトは、私の好きな指揮者のなかの一人でもある。
・ヨーゼフ・カイルベルト指揮、バイロイト祝祭管弦楽団、ヴォルフガング・ヴィントガッセン<T>、アストリッド・ヴァルナイ<S>、ハンス・ホッター<Bs> <TESTAMENT>

とっておきの名盤 その144 モーツアルト 「レクイエム」ニ短調 K626

2009年02月05日 | とっておきの名盤「声楽曲」
  
2月も節分の日が過ぎたばかりの身も引き締まる寒いこの頃、信心の少ない私がレクイエムを聴くには、一年でも特にふさわしい時期かもしれない。
過去に多くのレクイエムが作曲されてきたが、三大レクイエムと呼ばれるのは、モーツアルト、ヴェルディ、そしてフォーレによるもの。
更にケルビーニ、ベルリオーズのものも加えて五大レクイエムとも称している。
私としてはケルビーニではなく、スペインの生んだルネサンス音楽最大の作曲家の一人ヴィクトリアのレクイエムを挙げたい。
この曲にはタリス・スコラーズが歌った素晴らしい名盤があり、ぜひ一度は聴いて欲しいと思う。
このベーム指揮によるモーツアルトのレクイエムの盤だが、カール・リヒター指揮による厳しく引き締まった教会風の演奏ではなく、演奏会風というか多くの聴衆を意識したものとなっている。
じっと耳を傾けると、ゆっくりとしたテンポで、モーツアルトが死に対して描いた広大で深々とした響きを、ソリストや合唱団、そしてウィーン・フィルから引き出しているのが良く解る。
モーツアルトとR.シュトラウスの音楽をことのほか愛したベーム、この盤はとっておきの名盤として外すわけにはいかない一枚となっている。
ここに挙げるベストスリーの名盤は、どれも素晴らしく、順位がつけがたいので同列としたい。
・カール・リヒター指揮、ミュンヘンバッハ管弦楽団、ミュンヘンバッハ合唱団、マリア・シュターダー、フランツ・エーダー他 <TELDEC>
・リッカルド・ムーティ指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送合唱団、ストックホルム室内合唱団、パトリシア・パーチエ、ジェイムス・モリス他 <EMI>
・カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、エデット・マティス、カール・リーダーブッシュ他 <Grammophon>
番外として音は良くないが、歴史的名盤(「ラクリモーザ」は涙なしに聴けない)を挙げる。
・ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨクフィルハーモニック、ウエストミンスター合唱団、イルムガルト・ゼーフリート、ウイリアム・ウォーフィールド他 <CBS>