クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

神楽坂の横町を歩く~地蔵通りから神楽坂

2011年05月29日 | ウォーキング
コース満足度★★★★
地下鉄江戸川橋駅→子育地蔵尊(地蔵通り)→赤城神社→筑土八幡神社→軽子坂・神楽坂の横丁→毘沙門天(善国寺)→宮城道雄記念館→東京日仏学院→JR飯田橋駅

江戸時代に六ヶ所あったという花柳界は、現在では東京六花街とも呼ばれていて、新橋、赤坂、神楽坂、葭町、向島、浅草のことを言うらしい。
今でも粋な風情を感じさせるという場所、神楽坂の横丁を歩いてみようと家を出る。

まずは庶民的な商店街のある地蔵通りを目指す、そこは「地蔵横丁」とも呼ばれていたという。
通りの入口にあるのが子育地蔵、ここでお参りしてから散歩を始める。
正安2年(1300)に群馬県宮城村の分社として建てられたという赤城神社を訪れる。
祭神として磐筒之男神と赤城姫命が祀られているが、境内には蛍雪天神もあり菅原道真(学問の神様)が頼みの綱なのか、合格祈願の絵馬がたくさんかかっている。
 

神楽坂の方へ足を進めると、江戸城主上杉氏の城郭があったという築土八幡神社が見えてくる。
築土の意味が分からなかったので調べてみると、筑紫宇佐八幡宮の土を取り寄せたことにあるという。
境内には良く知られた小学校唱歌をたくさん作曲した田村虎蔵の顕彰碑が建っている。
「まさかりかついだ・・・」で始まる金太郎の楽譜が刻まれていて、見ていると自然に声を出して唄ってしまう。
 

境内に二匹の猿の庚申塔があり、三猿ではなく二猿の牡猿・牝猿がどちらも桃の枝を持った姿で表現されている点がきわめて珍しい。
いよいよ今回の目的地、軽子坂という名前がつく神楽坂横町へと向かう。
かつて船荷を下す「軽子」と呼ばれる荷役夫たちが、付近に多く住んでいたことからその名前が付いたという。
神楽坂界隈の横町にそれると石畳の道が現れ、歩いていると料亭の脇から粋な神楽坂芸者がふと現れるような錯覚にとらわれてしまう。
このあたりは小さな店が多く、多くの観光客が横町のぶらぶら歩きを楽しんでいる。
  

横町を出ると、「神楽坂の毘沙門天さん」で有名な善國寺が目に入る。
家康の命を受け文禄4年(1595)に麹町に創建されたが度重なる火災に遭い、寛政4年(1792)にこの地へ移転している。
この辺りは明治末期より大正初期まで新しい東京の盛り場として賑わい、特に善国寺毘沙門天の縁日は人ごみも激しく、夜店の発祥の地だったという。
少し足を進めると、道路わきに泉鏡花・北原白秋旧居跡と刻まれた石碑が建っている。
この先にある宮城道雄記念館を楽しみにしていたのだが、休館日で入れなかったのが心残りでもあり、機会を見てまた訪れようという気持ちにさせる所、そんな街が神楽坂だと思う。
 


この曲この一枚 その22 R.シュトラウス 歌曲集 ~ ヒルデ・ギューデン

2011年05月17日 | この曲この一枚
 
ヒルデ・ギューデンがこんなにもR.シュトラウスの歌曲を魅力的に歌うとは思ってもいなかった。
というか、彼女を記念する盤がまとめて発売されるということが無かったので、この歌を耳にする機会に出会うのが難しかったからなのかもしれない。
この盤は「フリードリッヒ・グルダの芸術」と題して、LONDONからグルダを記念して発売されたシリーズのうちの一枚だった。
この盤を手にした時、思わぬところでギューデンの歌を聴けるという嬉しい気持ちに駆られたことを思い出す。
グルダもギューデンもウィーン生まれでウィーンで活躍したから、きっと協演する機会にも恵まれ、そんな中からこんな素晴らしいレコードが実現したのだと思う。
1956年の録音でしかもモノラルだが、音は大変すばらしい。
グルダのピアノは一曲目からウィーンの響きを存分に聴かせるし、ギューデンの声はR.シュトラウスの意図というか作曲家の思いを十分に伝えてくれる。
1917年生まれの彼女は、活躍の場はウィーン国立歌劇場が主で、舞台上の容姿の美しさは最高だったという。
名誉ある「カンマーゼンガー(宮廷歌手)」の称号も受け、1988年に71歳の華やかな生涯を閉じている。
R.シュトラウスの歌曲の素晴らしさを心から伝えてくれる歌手は少ないし、グルダの伴奏というのも魅力、そういう意味でこのCDは本当に貴重な一枚であり、この曲この一枚として絶対にはずせない盤と言える。 
・R.シュトラウス「歌曲集」:ヒルデ・ギューデン<S>、フリードリッヒ・グルダ<Pf> <LONDON>
とっておきの名盤 その107 R.シュトラウス歌曲集<ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ>
とっておきの名盤 その34 R.シュトラウス歌曲集<リーザ・デラ・カーザ>

目黒川沿いと蛇崩川緑道の桜並木

2011年05月04日 | ウォーキング
コース満足度★★
東急東横線中目黒駅→目黒川沿いの桜並木→東山貝塚公園→池尻稲荷神社→世田谷公園→西澄寺→駒繋神社→蛇崩川緑道→東急東横線祐天寺駅

桜吹雪が最高潮の日、目黒川沿いの桜を見納めにしょうと中目黒駅に降り立った。
桜並木も素晴らしいが、近くにデンマーク、エジプト、マレーシアなどの大使館があるせいか、沿道には洋風の洒落たレストランなどが立ち並んでいる。
池尻大橋駅近くの商店街を抜けたあたりにある東山貝塚公園には竪穴式住居が復元されている。
縄文時代の遺跡で東京の三大貝塚のひとつという東山貝塚が大正時代に発見された所だという。
 

少し先に進むと、江戸時代に旧池尻・池尻の鎮守として創建された池尻稲荷神社が静かなたたずまいを見せている。
昔から子育ての稲荷、火伏の稲荷として信仰を集めていたせいか、境内に旧大山道の石柱や「かごめかごめ」をする子守の像が立っているのが面白い。
しばらく歩くと世田谷公園があり、噴水広場の周りには家族連れや若いカップルが憩いの時間を過ごしている。
 

下馬にある西澄寺の参道を進むと、立派な山門に目を惹かれる。
説明板によると、「・・・二五万石の大々名、徳島藩蜂須賀家の中屋敷門を港区三田から移設し山門として転用したもので、江戸時代の大名屋敷門の風格をよく残している数少ない武家屋敷門の一つとして貴重なものです・・・」とある。
西澄寺のすぐ先にある蛇崩川緑道の桜並木も素晴らしい。
名前の読みが面白いが、川の流れが赤土を崩して蛇行していたため「蛇崩」の名がついたと言われている。
桜の時期にはぜひ歩いてみてほしい、お勧めの散歩道だと思う。