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うどんを待つ間、ふらふらと外に出て菜の花鑑賞。なたね油をぎゅっと絞って、じゅじゅっと絞って飲んだら空腹おさまるかな、いや、しょせんは油。んなもん生でごきゅごきゅ飲んだら気持ち悪くなるだけだ。
おや、あ、いい。
気持ち悪いことを思い出すと少し空腹感が減る。べしょべしょになった天ぷらの放置姿。うわあ。暑いなか忘れてて数日出しっぱなししちゃったえび。これは、来るなあ。甲殻類。
ほぼ自分をいじめつつ菜の花鑑賞。ちっとも嬉しくない。
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出てきたうどん。やっぱりうまそう。北埼玉のうどん水準恐るべし。何しろ地元産の小麦粉で手打ちだもの。ずいるずいると脳髄響かせ完食。
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食べ終わってサイクリングロードに戻ると、なぜか怪獣映画の避難シーンみたいになってる。なんだよ、これ。もちろん、自転車で走れるようなシチュエーションではありません。後ろで戦ってるのは、なんだ、自衛隊か地球防衛軍か? そして君たちは一体、何から逃げ、そしてどこへ逃げるんだ? 違う太陽のもとに逃げたとしても、結局自分からは逃げられないのだ、などと悪態ついて、河川敷見ると車が一杯止まってる。なんてこった。マナーとかないのか、加須には。河川敷に車を乗り入れるな。一体どうなってるんだ。この辺の住人は。
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と、よく見たら、ディノじゃん。なんで? なぜ、フェラーリの246ディノが? 横テスタロッサだし。
気づいたら、ここでクラシックカーの展示会が開かれていたのでありました。
うわあ、うわあ、すげえ、すげえ、トヨタ2000GTだ、ショーン・コネリーが「007は二度死ぬ」で乗ってたやつだ、あ、ホンダのライフ、初代のシルビア、すげえ、S20型エンジン積んだスカイラインもある、白洲次郎の乗ってたベントレーだってさ、けっ。お、ロータス・ヨーロッパ、356ポルシェ。240RSがなかったのが残念だけれど、いろんな名車が目白押し。
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懐かしのダイハツミュゼット。
知り合いがわざわざ手に入れて乗ってる。家族はイヤだろうなあ。エアコンもないだろうし。
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そんな中で一番欲しかったのが、オースチン・ヒーレー。いいなあ。古い車の持ってる空気が好き。アルファのジュリエッタとかシトロエンのDS(これは「深夜プラスワン」の影響大)、方向はまったく違うけれど、ニッサンの240RSとか、すごく好き。ぼくが初めて買った車はシェカー・メッタの乗った240RSと同じ形のシルビアターボだったが、中身は全然違う(向こうはFJ24型DOHC2400CC、ぼくのはS18型SOHC1800ターボ)。それでもよく走るマニュアル車だった。加速途中から聞こえてくるタービン音、ぐいぐい上乗せされるトルク。ターボ車も楽しかった、と、ずいぶんむかしの車好き気分が最高潮に盛り上がったところで、渋川に行くって言ってるのに、うどん&車ですでに1時間半費やしていることに気づく。
さあ、そろそろ出かけないと、と思っていたら、アナウンスがあり、これからジャンボ鯉のぼりが上がります、と。風をはらんでパタパタ空を泳ぐと。しかも1年でこの日2回30分ずつしか上げないんだと。クレーンで上げるのだけれど、極度の集中が必要なので1回30分が限度なんだと。
見るよね、ここまで言われれば見るよ。そう、あの避難民たちはみな、ジャンボ鯉のぼり見物の人々だったのだ。
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ご存知ジャンボ鯉のぼり。クレーン左側にちょろっと見えてるやつ。あれが一般的な鯉のぼり。彼としても、「え、何? 普通俺一番大きくて立派な飾りもんなんすよ。ここじゃ、あれっすか、ただの比較っすか? 標本の横に置かれたタバコみたいなもんすか? それって、え? それって、どうなんすか? 尊厳とか? そういうの一切無視すか?」などと心千々に乱れていることだろう。でも、まあ、きみも所詮鯉だから。
で、ご存知ジャンボ鯉のぼりは、口の直径10m、体長100m。いいね、この巨大さ。おお、バカみてえ、と思うほどの巨大さは、逆にあっぱれな感じ。あっけにとられてしばし楽しむ。結局4号線との交差で迷った挙句、加須で2時間のロス。
遅れを取り戻そうと走るも、結局高崎で日没サスペンド。次回のリベンジを期っした夕暮れの高崎。ヤマダ電機の灯りがまぶしいぜ。