荒川とはまったく違う雰囲気。川というよりも、色や雰囲気が沼っぽいのだ、花見川は。
しばらく走ると舗装がなくなる。まじですか。
未舗装のガタガタ道はロードバイクにとって快適な道とは言えない。
こういう状況下、ぼくは自分自身をだます。ぼくは花見川を走ってるんじゃない。パリ・ルーベのレースに出て、石畳を走ってるのだ、と。偽装である。
ミートホープの人も曖昧な会見などせず、牛肉を使わず牛肉味を出せるなんざ、どうだ、すごいだろ、と威張っちゃえばよかったのに、などと走りながら思う。あれは偽装じゃない、技術なんだ、と胸張っちゃえばまた違った展開になったに違いない。まあ、それがいい結果になるかさらに悪い結果になるかは別問題だが。
自転車をこぎながら考えることは、ぼくの場合しょうもないことばかりだ。
だが、自分をどう欺むいてガタガタ道を走ろうが、通行止めはどうにもならないのだ。冗談じゃないよ、ったく。
こないだの狭山湖もそうだったが、通行止めを呼び寄せる何かがぼくにはあるのかもしれない。
通行止めの金網に迂回路の地図がある。その地図をじっくり眺めてから走る。もちろん迷う。趣味なんですか、と人に尋ねられても不思議じゃないくらい迷う。地図持ってないし。せっかくの花見川サイクリングロードなのに、不完全燃焼で離れることになってしまった。
迷い迷い走っていると佐倉市に入り、京成臼井の駅に着いた。駅前の地図を見ると印旛沼が近くにある。せめて印旛沼には行きたい。日没が迫ってる。急がないと。
印旛沼に向けて走る。で、ご想像の通り、迷う。どうしてよ? 近くにあるだろうし、探して見つからないほど小さなもんじゃない。なんであんなでかいもんが見つからないのか我ながら不思議である。あいつに見せんじゃないと、この辺の人が寄ってたかって隠してしまってんじゃないか。しばらく走っている内に、ようやくコンビニを発見。店員さんに「この辺に印旛沼ってありますか?」と尋ねて、ものすごく不思議そうな顔をされる。
あっちだと指さされた方に向かうと、臼井駅が見える。反対方向に走っていたのだ。すごいなあ、ぼくは。反対には、なかなか走れないものだ。
半ベかきながら、ついに印旛沼到着。
いいなあ、自転車は。40過ぎて、休みの日に半ベかく機会なんてないもんな。
っていうか、地図もなく印旛沼まで出かけようと思うこと自体がだめなんだよな。
まあ、でも、なんとか日没までにつけてよかった。