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スチームハンマー   横須賀ヴェルニー公園

2008年02月02日 11時46分08秒 | 観光
 横須賀には「諏訪」の地名が多い。
市内だけで4つの諏訪神社があり、あたりには諏訪小学校や諏訪公園など諏訪にまつわるものも多い。
 横須賀市立自然人文博物館で縄文時代の遺跡分布図(そこには「諏訪の上遺跡」もあった)を見てみる。ここもそうだ。
 前に東大和市立郷土博物館で同じような分布図を見た時に気づいたことだが、「諏訪」の分布と縄文遺跡の分布はなぜか重なるのだ。
 ぼくはいま安易に「諏訪」という言葉を使ってしまったが、諏訪信仰と言った方が正確だろう。それもぼくたちが知っている諏訪信仰ではなく、その下を流れるかなり古い信仰形態である。
 だが、今日は諏訪ではなく、横須賀。ぼくがここに来た一番の理由はスチームハンマー見物であった。
 ぼくが敬愛する人物の一人に幕末の勘定奉行小栗忠順がいる。
 彼の功績についてここに記すのは大変なので省くけれど、たとえば日本海軍がバルチック艦隊に勝てたのは彼のおかげであると思う。
 幕末期に外国から船を買う発想は誰にでもあった。だがドックを作って自分たちで船を造ったり、直したりする、その発想は小栗独特のものだ(勝海舟などは日本が造船所を作って経営するにはあと500年かかると放言していた)。しかも、小栗にとってドック建設は単に船だけの問題ではないのだ。ドックを作ってそこで日本人が働くことによって、人材が育ち、それまで日本になかった重工業が育つ。工業化の種子としてのドック建設のために奔走し、スチームハンマーを買い付けた。
 小栗の夢は今でも横須賀にあるのだ。


 小栗とフランス人技師ヴェルニーが中心になって作った旧横須賀造船所ドライドック。幕末に作られた施設だが、今でもほとんど当時のままドックとして使用されている。
 写真がなぜこんな隠し撮り風なのかと言うと、旧横須賀造船所は現在アメリカ海軍の施設なのであった。アメリカ海軍が迎え入れて写真を撮らせてくれるわけないので、隣接するシャッパーズプラザの屋上駐車場から金網越し。
 ドックに向かい合う形でフランス人技師ヴェルニーの名を取ったヴェルニー公園がある。


 アメリカ海軍や海上自衛隊の艦船を眺め、潮風を感じながらの、ボードウォークが楽しめる。実はぼくは軍艦好き。


 ヴェルニー公園の中にあるヴェルニー記念館。小栗の買い付けた3トンスチームハンマーと0.5トンスチームハンマーが展示してある(国の重要文化財)。この0.5トンは1971年まで、3トンの方はなんと1996年まで現役で使用されていたのだ。


 ヴェルニー公園には、ヴェルニーと小栗の胸像が飾られている。その胸像の後の記念石。この石は群馬県倉渕村から贈られたもので、なんの罪もない小栗が斬首された烏川水沼河原の石。
 たくさんのボランティアとおぼしき人々が公園の花壇で作業をしていた。
 春になると、きっとたくさんの花が咲く美しい公園になるんだろう。
コメント
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