京都御所に接した烏丸通から少し西へと入った住宅地にあるこの邸宅は大正11(1922)年の建築。 京都帝国大学の電気工学科教授であったA氏が、同僚の建築学科教授・武田五一に設計を依頼して建てたものだそうです。 台所には「万能電気料理台」なるものが設置され玄関にはラッパ型のドアホンが装備されるなど、電化住宅を試みた実験的で野心的な住宅でありました。 京都府京都市上京区 13年04月中旬
※参考『フランク・ロイド・ライトと武田五一 日本趣味と近代建築』 2007
※個人邸ですので見学の際はご配慮願います。
粗く仕上げたモルタル壁で木造住宅の様に見えますが、実は鉄筋コンクリート(RC)造の住宅。 RC造の個人住宅としてはかなり初期のものになります。
家主のA氏は武田と仲が大変良かったと伝わっています。
設備の中には自動ドアという記録もあるそうですが、現代のいわゆる自動ドアとは意味が少し違いリビングで玄関の施錠が出来るという程度の物だったらしい。
「電化住宅 大正時代」でググると日本の電化住宅の先駆けと名前が出てくる芦屋の旧山邑邸(大正13年・1924)。
同じく名前が挙がる名古屋の旧川上貞奴邸(大正9年・1920)。 日本初の女優といわれる川上貞奴が電力王・福沢桃介と暮らした邸宅です。