佐野の洋館

2009-10-06 07:07:30 | 北関東3県 (茨城・栃木・群馬)





 佐野と言えば厄除け大師に佐野ラーメン、最近ならアウトレットの名前が名物・名所として挙げられますが、大正期には織物で栄えた町であり、かつての繁栄を今に残す建物も僅かながらに現存しています。 この建物は佐野屈指の綿糸商・小島家の店舗併用住宅として地元業者・小川組の設計施工により昭和2(1927)年に建てられました。 洋館部分の外壁は主にスクラッチタイル貼り、西面の窓部分を突出させて屋根には腰折れ風の屋根を架け、軒周りを植物模様の装飾で引き立てる事によって立体感を演出。 階高の高さと合わせて小さな建物をより大きく見せる事に成功しています。 建物の1階は商用の応接室、2階は畳敷きの和室が二間。 応接室には暖炉が備えられ、内部装飾や家具などには「葡萄の葉」のデザインが取り入れられているそうです。 日本人の根底に流れる西洋文化への憧れを体現した住宅建築の秀作。  栃木県佐野市大和町  08年11月下旬他

 ※参考 『総覧 日本の建築2 関東』 1989
     『近代建築再見』上巻 2002
  
 ※個人邸ですので見学の際はご配慮願います。


 おまけ 近くで見つけた小さな建物達。   

 左  高級婦人服シャルマン。 青い幕の下にはどんな素顔が隠されているのでしょう。
 中  三木雑貨店。 大正10(1921)年頃の建築。
 右  街道沿いにあった銭湯。 営業しているようには見えず。 


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