茨城県畜産試験場の跡地、南北合わせて39haもの広大な敷地の北東隅に位置するこの建物は大正12(1923)年の建築。 元々は大正8(1919)年に兵庫県に設置された北条(條)種羊場(大正12年廃止)の建物を移築してきた可能性が高いのだそうです。 平成12(2000)年に試験場は八郷町(現・石岡市)に移転し、この建物はドラマや映画、CM等のロケに使用されていますが老朽化が進み内部の使用は出来なくなっているようです。 茨城県笠間市(友部町)平町 12年04月上旬
※参考 『茨城県の近代化遺産』 2007
左右にスロープのついた車寄せ。
丸電球はそっぽを向いたまま。
玄関の窓越しに撮影。 傾斜の緩やかな優しい階段です。
もぬけの殻状態。
敷地の外からは見えなかった南西面。 この面は一際大きく窓がとられています。
歯抜けになった窓。 ガラスの破片が地面にも散乱していました。
良く見ると2階はベランダになっていて後から窓を入れた事が分かります。
背面部。
壁の亀裂と天井の漆喰が剥落しているのは震災の影響と思われます。
この雰囲気が好き。
「お薬出します」的な小窓もあります。
純朴。
北条種羊場―友部種羊場―茨城県種畜場(昭和36年に茨城県畜産試験場と改称)と移り変わってきたようです。
実家が近いのですが、先日帰省した折に通りかかったところ、雨水排水処理施設の整備という工事が開始され、イチョウ並木を残して植栽もろとも除却されておりました。
僕が十代のころまでは使われていた試験場で、転出後はここに県庁を移してはどうかとの話もあがったそうです。
子供を連れてどんぐりひろいに出かけたり、ロケ地扱いされる以前は車両を入れて撮影できたりの静かなところでしたが、時代の趨勢にはかなわないものです。
こんなにたくさんの貴重な写真資料を残して戴けているサイトがあるだけでもありがたいと感じてております。