「正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」寺田寅彦

　そういえば、うちの娘は「かわいい」とも言う。まあ、厳密には「かーい」なんだが。ちゃんと何か可愛らしそうなものを見て「かーい」という。
　まあ、こうやって一つずつ言葉を憶えて行くのだろう。

　『脱原発』だの『反原発』という言葉を知ったのは、高校生ぐらいかな？まあ、チェルノブイリ以降だと思う。当然、それ以前からそういう運動をやっていた人は居ているのだろうが、交流もなかったし、知るすべもなかった。『反天皇』『反権力』でも。まあ、色んな情報を知って、「なにそれ？」で興味のある事は調べたりしつつ４３歳になったわけだ。

　何やら、うちの市長が脱原発宣言をしたらしい。

　「脱原発を目指して皆さん力を合わせませんか、と大きい声で言いたい」（http://www.asahi.com/national/update/0617/OSK201106170174.html）

　らしい。大阪市は関西電力の筆頭株主でもあるらしい。

　何やら、先日６月１１日のデモで右翼排除の事件があったらしい。主催者（？）の平野氏がツイッターで激昂しておられた。

　http://twitter.com/yu_hirano/status/81304245437071360

　まあ、『激昂』は言い過ぎかも知れないが、かなり怒っているのだろう。まあ、あったり前、っちゅうたら、あったり前なんだろうが。

　関連して諸々見ていると、デモ参加者が反原発・脱原発と違うアピールをしている事を問題にしている人も居てたが、んなもん、音楽ならしてのデモなんだし、「別にエエやんけ」である。
　デモのシーンは、録画していた『報道特集』で生中継をしていたが、『日大全共闘』と大きく書かれた旗があったり。まあ、んなもんだろう。反原発・脱原発『だけ』の運動をしている人も居ているのだろうが、まあ、多くは他の運動もやっているのだろうし。『憲法９条の会』とかの何処も参加しているだろうし。んなもんではないのか。
　
　で、その中の右翼団体である。

　だいたい、原発事故で神の国を穢してしまった事は、右翼にとっては大問題ではないのか？右翼側からの意見は重要だろう。それを排除するのは、アカンやろ。

　んが、まあ、微妙な人間感情があるのだろう。別にロボットがやる運動ではないし。生身の人間がやる運動なんだし。でも、まあ、一緒にやれた方が気持ちはエエやろうに。

　左翼は右翼に、右翼は左翼に対する偏見もあるだろう。あ、そうではない人にとっては両者共に。

　何やら、東京新聞に郡山の子どもに鼻血や下痢、倦怠感等の症状が出ているらしい記事が掲載されたらしい。

　http://savechild.net/archives/2937.html

　昨日知って、今日ツイッターを見てたら、記事の内容をテキスト化してくれている所を発見したのだが、え～。。。どこに行った（笑）まあ、ええわ。
　新聞記事でも「放射線と関係不明」と書いてある通りに、関係は解らない。鼻血も下痢も倦怠感もストレスが原因でもなる。ストレスを受けるには『最適』と、まあ、こういう場合に使う言葉ではないが、ストレス満腹状態だろう、んなもん。
　また、下痢は伝染病の恐れもあり、これはそっち方面でも徹底して調べるべきではないのか？

　昨日、リンクを貼った所のメインの人が「正しく怖がる」という言葉を使っておられた。

　http://twitter.com/kikumaco/status/81732461888933890

　っちゅうか、ネット上では少し前ぐらいから、この「正しく怖がる」という言葉を見かけていたのだが。

　少し調べる（『ググる』というのか？）と寺田寅彦が

【「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」】（寺田寅彦『小爆発二件』より）

　という事らしい。

　なんか、幽霊を思い出す。まあ、幽霊でなくとも、「あ！ヘビや！」って思ったらロープだったり。
　あるいは、「え？あの人、右翼？」「え？あの人、過激派？」「え？あの人、ヤクザ？」でもなんでもそうなんだろうけど。正体を知ってしまえば「なんや、同じ人間やねんや」なんだが、知らなければ、不安が怖さになる。まあ、ヤクザは『怖さ』を売ってナンボの部分もあるのだろうが。

　でも、寺田寅彦の原文を読んだわけではないが、この

【正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。】

　という文章は味わい深い。

　え～。。。憶えたての言葉『ググって』みました。
　青空文庫、なんでもあるのぉ。。。

　http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2507_13840.html

　青空文庫では伏せ字になっている部分がある。

【ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。○○の○○○○に対するのでも△△の△△△△△に対するのでも、やはりそんな気がする。】

　多分、今現在では『差別用語』とされている言葉が入るのかも知れない。まあ、何が入っているのかは今の所は解らないが。

　で、

【正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。】

　である。
　理由は単純だ。色眼鏡でしか見れないし。

　これまた最近憶えた言葉で『危険厨』『安全厨』という言葉がある。何やら『幼稚』→『中坊』→『厨房』になったらしい。「幼稚な情報と意見で危険を振りまきやがって」が危険厨であり、その逆が安全厨らしい。過激化しやすいネットの中では、双方の対立が楽しめる（笑）私はどちらかというと安全厨の方かな？ストレスでの二次災害の問題もあるし、安易に煽り立てるのは好きではない。

　しかし、この『正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。』という言葉は凄い。酔っぱらって来て、段々と平仮名ばかりの羅列を読むのがしんどくなって来て、私と同じく泥酔状態で読む人の為に少し感じを交えよう。

【正当に怖がる事は、なかなか難しい事だと思われた。】

　だろう。『こわがる』にも色んな感じがあるが、まあ、今日的には。

　今の段階では、今回の原発事故で、どういう風になるのかは解っていない。「そうなるのではないのか？」と諸々の意見がある状態である。福島原発に関しても、放射能汚染の健康被害に関しても。
　その中で『集団ヒステリー状態』になっている人もいれば、「安全厨」と呼ばれつつ過ごしている人もいる。何やら、これもツイッター上の不確定な情報だが、公園で子どもを遊ばしていたらイヤミを言われた方も居られたらしい。まあ、福島産の食料を『毒』だととしか思えない人も居ているわけであって、まあ、んなもんかも知れない。
　ついでなんだが、『危険な食べ物』は、当然、福島県産だけではない。ほれ『食べてはいけない』とかいう本もありましたやん。「日本の食べ物は危ない！」で、海外輸入のポストハーベストや、遺伝子組み換えと、微量の放射能汚染「安全でっせ」の宣言が出ている食べ物と、どっちが安全なのかは知らない。まあ、金があれば両方問題がない食べ物を食べれるのだろうが。っちゅうか、金がなくとも、自然食なんぞ『信念』の部分が大きいから、月収１５万親子３人でも自然食生活してはる人も居てはったし。

　あ～、酔うた、酔うた。
　
　酔いつつ、もう一度噛み締める『正当に怖がる事は、なかなか難しい事だと思われた。』

　原発事故は生命に関わる事。その中での『危険厨』『安全厨』。先も書いたが私はどちらかというと『安全厨』の方なんだろうが、これだって、私なりの『危険厨』から出ている。「不安を煽って余計なストレスをかけると発ガン率が増えるやろ」である。
　でも、まあ、『正当に怖がる事は、なかなか難しい事だと思われた。』である。
　誰も『正当』ではない。色眼鏡の虫眼鏡でしか見ていない。それでしか見れないし。