エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬そうび

2014年01月02日 | ポエム
冬の薔薇は「満身創痍」である。
だがしかし、健気に咲き誇る。

その健気な生き様に、人は感動する。
寒風吹きすさぶ中、人を襟を立て薔薇を愛でるのである。



陽射しは何時だって、北風では無い。
ポカポカとコートを脱がせる。



花弁には紙魚があり、傷んでいる。
しかしながら色は冴えている。

そこが良いのだ。



ひっそりと陽を透かす。
そのひっそりが、人の哀惜を誘う。

冬そうびの所以である。







「年を積む紙魚の数ほど冬そうび」







多少の紙魚をものともしない、その生きざまよ。
ぼくは、きみのその姿に限りない愛を感じる。

その美しさは、比類なき人生である。



       荒 野人