エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

サンシュユの赤い実

2014年01月06日 | ポエム
昨日、ぼくはサンシュユの赤い実を啄ばみに出かけた。
小寒の日のこと・・・そう、小鳥のようにだ!



ぼくは小鳥ほど可憐でも、純情でも無いけれどただサンシュユの赤い実を口に含みたかった。
昨年のこの時期だったか、このサンシュユの実は韓国では滋養強壮に功ありと書いた。
それはそうであるけれど、実際にサンシュユ由来のサプリメントを飲んだことがあるけれど効果のほどは定かでは無い。
身体の何処も、ピクリともしなかった。



けれど、漢方の生材であるのだから長期の服用こそ肝心と分かっている。
分かっているけれど、長期の服用は面倒臭いしその必要も感じていない。



この赤い実である。
何日か前の、張り切った状態の実はもう無く萎れつつあった。







「紛れなく小寒の朝耳痛し」








一粒、失敬して口に放り込んだ。
堅いのである。
食感は梨のよう。

しかも、渋いのである。
あまいだろうと勝手に想像していたのだけれど、その想像は見事に打ち破られた。




指で抓まんで少しふやけた感じのものは、柔らかかったけれど味覚を刺激してはくれない。
堅い状態が、本来なのだろうと思う。



そうか、この実が何時までも木に残っている筈である。
美味しくないのだ。

けれど、この赤さが嬉しいではないか。
小寒の朝。

ぼくの味覚の冒険である。



       荒 野人