エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

水仙

2014年01月07日 | ポエム
水仙が競って咲く。
例え寒かろうと咲くのである。
雪中花とも云う。

関東地域で一番に咲くのは、やはり「爪木崎」であろうか。
下田の先である。



水仙がナルシスの化身である事は、論を俟たない。
ナルシストの語源であるからだ。
正しく、ギリシャ神話に記載がある。

香り立ち、楚々と咲き誇る。
ところで、水仙になったのは男である。

Narcissus という学名は、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来する。



自惚れの化身である事も又、その花言葉によって知れる。







「水仙の揺れる大気に任せたる」







今、葛西臨海公園に出かければきっと水仙が咲き乱れているに違いない。
観覧車の下。
そこに咲いている。

水仙と言う日本での呼称は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたものだ。
「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来する。
水辺で咲く姿を仙人にたとえたのである。

水仙はいま、馥郁と香り立っている。
去年は、丁度見ごろに大あらしが水仙を襲った。
なぎ倒された水仙が、哀れであった。



       荒 野人