エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

辻井伸行を聴く

2014年01月05日 | ポエム
正月、松の内だからであろうか特集番組が多くて嬉しい。
昨夜はとりわけ、ピアニスト辻井伸行の特番であった。



「辻井伸行×東南アジア紀行」である。
とりわけ、ベトナムでの演奏会や音楽学校での交流。
辻井の演奏に涙する人々が印象に残った。

指揮者佐渡裕氏が、風呂で辻井のピアノを聴いて落涙したという逸話は余りにも有名だけれど、特番はその証明でもあった。
ぼくもまた、滂沱として流れる涙を拭う事が出来なかった。



EXILE ATSUSHI & 辻井伸行 / それでも、生きてゆく




EXILEのATSUSHIは好きでは無かったけれど、この演奏で好きになれそうである。
辻井は、ぼくに新たな音楽の世界を見せてくれた。

ATSUSHIの歌う「それでも、生きてゆく」は辻井伸行の作曲である。
3,11を鎮魂して辻井が作曲した。





「生きてゆく北の故郷の初山河」





ぼくはいつだって、この曲を聴くと涙が零れてならない。
琴線に触れるのである。



彼の演奏は、荒んだり、苛立ったり、或いはまた吹きすさぶ心の乱れを慰撫し、鼓舞し、そして勇気を与えるのである。
辻井の演奏は、聴く者の琴線に触れ穏やかな世界へと導くのである。
彼の演奏は「陳腐化」しない。

辻井の演奏会のチケットは、いつもプラチナである。
yahooのオークションではいつも出品されていて、高値をつけるのである。
それは少しばかり・・・残念である。




         荒 野人