エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

薄氷

2014年01月21日 | ポエム
薄氷・・・「うすらい」と読む。
池であったり、一寸した水たまりに薄く張る氷である。

指で摘まむと、ほろほろと溶けてしまう。
そんな毀れ易い氷である。



朝の内曇っていたけれど、九時ころから晴れ間が見え始めた。
そんな気分には、薄氷が良く似合うのである。

陽が当たると忽ち解けていく、その儚さを古人は詠ったのであろう。
それほど、淡く弱々しいけれどしつかりと冬を演出する。







「薄氷の千切れし光はぐれたり」







薄氷(うすらい)と読め!
一体に、このご時世「うすらい」と詠む人はそう多くはない。
だから、俳句は若者に支持されないのだ・・・そんな声が聞こえてきそうである。



だがしかし、季語の生まれる瞬間その読み方にも意義があった筈なのであるし、人の万感の思い入れがあった筈なのである。
季語という、日本の文化は大切に後世に伝えていく責務が俳句を詠む者には託されているのである。



まだまだ寒さが続きそうである。
東北の被災地は元より、日本列島全体が寒気の中にある。
アメリカのような異常なまでの寒波でないことが、救いである。



しかし、大洪水があったり、異常寒波があったり、異常寝熱波があったり。異常なまでの乾燥地帯があったり、地球の環境に異変が起きていることは疑う余地のない事実である。
極地の氷が解けたり、氷河が縮小したりしている。
地球の温暖化は確実に進行している。

アメリカの異常寒波をもって、地球の温暖化は嘘だ!
と言う知識人がいる。
彼らの、頭の中こそが温暖化である。



           荒 屋人