enjoy

炭焼き母ちゃんの奮闘記
スローライフ・エコライフ・エンジョイライフ

選別講習会

2022-09-01 17:37:23 | 炭にまつわる、いろいろ

梅の仕事をしていると、「採りはもちろん大変だが、選果も大変でしょ」 と聞かれることがある。
確かに、選果中に前や横で「腰が痛い」「肩がこってきた
あげくは、「たってきた(飽きてきた)」と言う声も聞こえることがある。

私にしてみれば、「梅の選果は、楽なもんだ
私がこう言うと、梅のおばちゃんは炭の大変さを知っているから前で聞いて笑っている。

梅は優しく押してあげたらパイプの上を転がって、実全体を見せてくれるので、傷のあるものや未熟なものを取りのぞいてやる。
選ばれし梅はコンテナの中に転がって入ってくれる
採り梅は、きれいで汚れることも無く、炭に比べたら楽なもんなのだ。
強いて言えば、コンテナ込みで22kgを持ち運ばなくてはならないことだろう。
炭は、段ボールに入れて1俵16kg。 6kgの差は大きいと言えば大きいが…

昨日、木炭協会の集まりで、『炭の選別講習会』があって、参加してきた。

これは、ほんの一部
銘柄別に、30種類近くの炭箱が並べられた。

原木で馬目樫と樫、雑木の3種類で、銘柄名は『馬目』、『備長』、『雑』と区別する。
そしてそれぞれを、太さ、長さ、焼き加減(品質の善し悪し)で、選別していく。
丸物は『樫細丸』~『中丸』まで、炭焼きにもよるが、6~9段階ある。
原木段階で半分~4分の1に割って焼いた炭は『半丸』や『割』と呼ばれ、4~5段階に分けられる。
それから、『荒物』と呼ばれるのが2種類。

これだけの種類に、人が1本1本を目で見て、より分けていくから、どうしても個人差が出てくる。
現に、私と主人でも、どっちが箱詰めしたか 箱の上の方の数本を見ればだいたい見当がつく

今回の講習会にザッと見て50人ほどの炭焼きが集まった。「あ~でもない、こ~でもない…」
収拾つくのだろうかと思える場面もあった。

その後、代々続いてきた炭焼きさんから、Iターンなどで最近始めたばかりの人たちをメインに講習は進められた。
炭の品質自体、ベテランの炭焼きでも毎回違う、同じ炭は焼けない。
そんな炭の選別を、できるだけ同じようにしようというのはとても難しいことなのだ。

ただ、『紀州備長炭』というブランド商品を扱っている限り、その名に恥じない製品を送り出さないといけない
そのためには、良い炭を焼くのはもちろんだが、良い銘柄に悪い製品を混ぜ込まないように
「ちょっとくらい良いだろう」なんてあさましい選別は、ブランドに傷がつくとのこと。
確かにそうだ。
炭の善し悪しを見分けて、選別していく技術も大事なのだと思った。

灰だらけになって、重たい炭を1本1本、箱の中に入れていく。
きちんと隙間無く入れていかないと、箱のふたが閉まらない 閉まりきらずに浮き上がってしまう
参考に出されたベテランさんの詰めた炭の箱を見て、とても勉強になった。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿