シーンがかわり、昭和基地まわり及び内部(食堂)の短いカットを3つはさんで、挿入歌「宇宙を見上げて」スタート。
「ありあわせの材料で、だけどね」と言いながら紙袋に入れたカップケーキのお土産をくれる弓子さん。
「これを日本で待っているユウくんに」と、この期に及んで手編みのセーターを言づけてくる信恵さん(日向ドン引き)
「行っちゃわないで~」と泣きながら報瀬に抱きつく保奈美さん(報瀬は「お酒くさいですよ」とクールに対応)。
「これあげる」と、さりげなく報瀬の大好きなペンギンの生写真をくれる夢さん(一転、がぜんコーフンする報瀬)。
そんななか氷見は、「いいから行けよ」と後ろから敏夫にずるずると背中を押されて結月の前へ。「フォローバックが止まらない」のCDに、ようやく念願のサインを申し出る。
キマリ「へー、これが結月ちゃんのサイン」報瀬「アイドルみたいね」日向「何枚くらい売れたんだ?」
結月「(少し赤くなって)ごちゃごちゃ言うのやめてくれますか?」
氷見から、ドラマ、楽しみにしてます、観るの、帰ってからですけど、と激励された結月、「楽しみにしてくれる人……いるんですね」。
芸能界ずれしていない、という設定なのだろう。じつに謙虚なタレントさんなのである。
日向に「当たり前だろ」キマリに「がんばらなきゃ」と言われて、「はい」とにっこり。
4人で、あらためてこの風景を眺めやっているところに……
「そろそろ時間よー」と、かなえから声がかかる。
「はーい!」
ヘリポート。プロペラの風に髪をあおられながら、
「元気でね」
4人「ありがとうございました」
「こちらこそありがとう。……最初にバンで話した時のこと覚えてる?」
キマリ「え?」
「あのときのあなたたちと話してて、じつは、すごい勇気が出た。あなたたちの顔見て、ぜったい中止にできないぞって」
結月「なりそうだったんですか?」
「ええ。大人はね、正直になっちゃいけない瞬間があるの」
どさくさに紛れてけっこうなカミングアウトである。そもそもの初めの段階から、キマリたち4人の無鉄砲な情熱が、逆に大人たちの背中を押していたわけだ。
報瀬、すこし微笑んで、「隊長のこと、よろしくお願いします」
かなえ(藤堂を振り返って)「だぁって」
藤堂「言うようになったねー」
かなえ「さあ、乗った乗った」
4話で「訓練の地」へと向かうバンに「さあ、乗って」と4人を促したかなえが、南極の地から去るヘリに「乗った乗った」と促すのも、むろん偶然ではなく、脚本の計算のうちなのだが、それに注目している暇はない。もっともっと大事なことが、報瀬と藤堂とのあいだで起こる。
報瀬、リュックを肩から降ろしつつ藤堂に近寄り、
「それと、これ」
母の形身のパソコンを差し出す。えっ、と驚く藤堂。
明示されることはなかったが、かつてこの写真を撮ったのは藤堂なのだ
「(あなたと)一緒に越冬させないと、母に怒られそうな気がして」
「でも……」
「(にこやかに)私はもう、無くても平気ですから」
2人がこれだけ至近距離できちんと向き合い、互いの目を正面からみて言葉を交わすのは、じつはこの時が初めてである(9話のあのシーンでは、対峙はしていたが、どちらかが絶えず目を逸らし、次いで報瀬が立ち位置をかえた)
「わかった。」
ヘリが離陸する。ついに高所恐怖症を克服できなかった結月は目を閉じて頭を抱え、それよりは軽度の報瀬は頭を抱えはするが目はあけている。キマリ、日向は例によって大喜びで窓の外を見ている。
隊員たちは総出で見送り。しかも、激しい風圧のなか、4人の似顔絵を描いた旗を地面に抑えつけてくれている。
ヘリが船を目指して飛び去って行く。
保奈美「行っちゃった……」
敏夫「すっかり(女子隊員の)平均年齢上がっちゃったな」
弓子、ヘルメットの上から敏夫の後頭部をぱしんとはたいて、
「さあ、長いぞ、こっから!」
挿入歌「ハルカトオク」がはじまる。
「ありあわせの材料で、だけどね」と言いながら紙袋に入れたカップケーキのお土産をくれる弓子さん。
「これを日本で待っているユウくんに」と、この期に及んで手編みのセーターを言づけてくる信恵さん(日向ドン引き)
「行っちゃわないで~」と泣きながら報瀬に抱きつく保奈美さん(報瀬は「お酒くさいですよ」とクールに対応)。
「これあげる」と、さりげなく報瀬の大好きなペンギンの生写真をくれる夢さん(一転、がぜんコーフンする報瀬)。
そんななか氷見は、「いいから行けよ」と後ろから敏夫にずるずると背中を押されて結月の前へ。「フォローバックが止まらない」のCDに、ようやく念願のサインを申し出る。
キマリ「へー、これが結月ちゃんのサイン」報瀬「アイドルみたいね」日向「何枚くらい売れたんだ?」
結月「(少し赤くなって)ごちゃごちゃ言うのやめてくれますか?」
氷見から、ドラマ、楽しみにしてます、観るの、帰ってからですけど、と激励された結月、「楽しみにしてくれる人……いるんですね」。
芸能界ずれしていない、という設定なのだろう。じつに謙虚なタレントさんなのである。
日向に「当たり前だろ」キマリに「がんばらなきゃ」と言われて、「はい」とにっこり。
4人で、あらためてこの風景を眺めやっているところに……
「そろそろ時間よー」と、かなえから声がかかる。
「はーい!」
ヘリポート。プロペラの風に髪をあおられながら、
「元気でね」
4人「ありがとうございました」
「こちらこそありがとう。……最初にバンで話した時のこと覚えてる?」
キマリ「え?」
「あのときのあなたたちと話してて、じつは、すごい勇気が出た。あなたたちの顔見て、ぜったい中止にできないぞって」
結月「なりそうだったんですか?」
「ええ。大人はね、正直になっちゃいけない瞬間があるの」
どさくさに紛れてけっこうなカミングアウトである。そもそもの初めの段階から、キマリたち4人の無鉄砲な情熱が、逆に大人たちの背中を押していたわけだ。
報瀬、すこし微笑んで、「隊長のこと、よろしくお願いします」
かなえ(藤堂を振り返って)「だぁって」
藤堂「言うようになったねー」
かなえ「さあ、乗った乗った」
4話で「訓練の地」へと向かうバンに「さあ、乗って」と4人を促したかなえが、南極の地から去るヘリに「乗った乗った」と促すのも、むろん偶然ではなく、脚本の計算のうちなのだが、それに注目している暇はない。もっともっと大事なことが、報瀬と藤堂とのあいだで起こる。
報瀬、リュックを肩から降ろしつつ藤堂に近寄り、
「それと、これ」
母の形身のパソコンを差し出す。えっ、と驚く藤堂。
明示されることはなかったが、かつてこの写真を撮ったのは藤堂なのだ
「(あなたと)一緒に越冬させないと、母に怒られそうな気がして」
「でも……」
「(にこやかに)私はもう、無くても平気ですから」
2人がこれだけ至近距離できちんと向き合い、互いの目を正面からみて言葉を交わすのは、じつはこの時が初めてである(9話のあのシーンでは、対峙はしていたが、どちらかが絶えず目を逸らし、次いで報瀬が立ち位置をかえた)
「わかった。」
ヘリが離陸する。ついに高所恐怖症を克服できなかった結月は目を閉じて頭を抱え、それよりは軽度の報瀬は頭を抱えはするが目はあけている。キマリ、日向は例によって大喜びで窓の外を見ている。
隊員たちは総出で見送り。しかも、激しい風圧のなか、4人の似顔絵を描いた旗を地面に抑えつけてくれている。
ヘリが船を目指して飛び去って行く。
保奈美「行っちゃった……」
敏夫「すっかり(女子隊員の)平均年齢上がっちゃったな」
弓子、ヘルメットの上から敏夫の後頭部をぱしんとはたいて、
「さあ、長いぞ、こっから!」
挿入歌「ハルカトオク」がはじまる。