ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ガールフレンド・エクスペリエンス

2010-06-21 01:21:26 | か行
スティーブン・ソダーバーグ監督が
全米NO.1のアダルト女優サーシャ・グレイ(22歳)を
主人公にした異色作。

「ガールフレンド・エクスペリエンス」68点★★


リーマン・ショック後のNYで
エリートたちを相手に
ディナーと知的な会話、セックスを提供する
高級エスコート嬢・チェルシー(サーシャ・グレイ)。


彼女と顧客との会話や
買い物、ジム通いなどの日常を
ドキュメンタリーふうに描いた作品です。


見てすぐに、はっきりと意味がわからなくても
嫌いじゃないタイプの映画でした。

たぶんに実験的で
監督自身も
「デビュー作『セックスと嘘とビデオテープ』の
原点に戻ったような感じ」と言ってます。


映し出されるのは
セックス産業界で生き残りを計るための
主人公の努力だったり
ボーイフレンドとのたわいもない会話だったり。

そんな日常が細切れにつなぎ合わされて
彼女と観客を
「ちょっと親密に」させるような
作りになってます。


監督が一番写したかったのは
彼女を包括した
いまのNYの風景と空気なのでしょう。


そんな“空気”のとらえ方、
明るめにとばした映像、音楽の使いかたが

なんとなくガス・ヴァン・サントの
インディペンデント映画の世界に似てる気がしました。


ただ
主人公の職業から想像できるような
その手の直接的なシーンは
ほとんどありませんので
あしからず(笑)。

肝心なところはサラッと流されてます。

サーシャ・グレイがめちゃくちゃ色っぽく
魅力的なので
そこ、少々残念ではありましたなー


★7/3から渋谷シネマライズほか全国順次公開。

「ガールフレンド・エクスペリエンス」公式サイト

なお、ソダーバーグ幻の監督作品
「Bubble/バブル」(2005年、日本未公開)が
同劇場で7/17~23に限定レイトショーだそうです。
行くべし!
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シスタースマイル ドミニクの歌

2010-06-20 15:50:58 | さ行

♪ドミニク、ニク、ニク~♪

字面ではメロディが出ない人も
聞けばぜったい思い出すハズ・・・


1960年代初めに大ヒットした「ドミニク」を作った
あるシスターの人生を描く映画です。

「シスタースマイル ドミニクの歌」69点★★☆


ベルギーの女学生ジャニーヌ(セシル・ド・フランス)は
自分探しの真っ最中。


ギターを学んだかと思えば
アフリカに行くと言いだし
次には美大に行くと言ってみたり

で、あげく修道院へ入ることにする。

案の定、規律になじめない彼女は
あるときギターを弾いて
教会を創立した「聖ドミニコ」を称える歌を作る。

それが思わぬヒットとなって――?!


明るい歌からイメージしていた話と違い
予想外に痛くて悲しい話でした。


まず主人公の
自己表現願望の強さや向上心、
いつも一人で突っ走ってる様子が痛い。

それは共感できるからでも
あるんですけどね。


「なぜ修道院なんかに行く?」と不思議がる周囲に

「(自分は)自由が欲しいのか
束縛して欲しいのか、わからない」

と彼女は言うんです。

これグサッときました。

番長もまったく同じで
反抗心の固まりなのに
「校則」とか「雑誌の方針」とか
“縛り”あるほうが燃えるタイプなんで。

で、彼女は
個性が発揮しにくい修道院という環境に身を投じ
ようやく自己表現に成功するわけですが

その後も順風満帆とは行かず・・・。


まあ彼女の最大の問題は
「人の痛みを理解できない」ことなんでしょうねえ。
まだ若い、というのもありますが


幸せや平穏は、自分の力だけではなし得ない。


そっと回りを見回して
「本当に大切なもの」に
気づいたらよかったのになあ、と
思わずにいられなかった。

人の振り見て我がふり直せ、じゃないですけど
そういう意味ある映画でした。


★7/3からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「シスタースマイル ドミニクの歌」公式サイト
コメント (2)
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シュアリー・サムデイ

2010-06-19 00:45:05 | さ行
俳優・小栗旬の初監督作品です。

「シュアリー・サムデイ」46点★


あるライターさんに
「おもしろかった!」と言われて
見に行ったんですが

・・・すみませーん。ダメでした。


いえ、なんというか
映画としての形は思いのほか、きちんとしてるんです。

ただ、センスが合わなかっただけ。


幼なじみの高校3年生、
タクミ(小出恵介)、童貞のキョウスケ(勝地涼)ら5人組は

文化祭中止に抗議して
教室に立てこもり、爆弾を仕掛ける。

しかしハッタリのつもりの爆弾が
なんと大爆発!

それから3年――
高校を退学になった5人は
ハンパな人生を送っていた。

そんな折、
ヤクザになった仲間のカズオ(鈴木亮平)のせいで
彼らは思いもかけないトラブルに巻き込まれてしまい――?!


タイトルは「いつか、きっと」の意味。

小栗旬が10代のころから
構想していた“おバカ”な青春群像劇を
脚本家が組み立ててくれて、形になったそうです。


まず脇を固める俳優たちが
小栗監督ならではの豪華さ

「下妻物語」のスタッフによる装飾や
手島葵のウィスパーボイスな歌もよかった。

試写中もけっこうドッとウケるシーンがあり
(なぜか女性ばかり・・・しかもオバチャンぽい笑い声だったけど?


試写後も
「初めて(の監督作)にしては、ねえ!」と
みなさん好意的な感じだった。

それは同感。


比較したらなんだけど
「シーサイド・モーテル」より断然いいし
「私の優しくない先輩」より“できてる”と思う。


が、しかし!

私の肌には何もかもが合わなかったんです。


笑いのセンスも
勝地涼さんのはじけっぷりもタイミングも
セリフのしまらなさも

「フッ」と笑わせておいて
いやに過激なヤクザの暴力ネタに突き落とす
そのバランス感覚も。


いや、なにより最初のほうのシーンで
主演の小出恵介さんが抱えている買い物袋が
ひと昔前のフランス映画みたいな
紙袋なのからしてダメだった・・・。

しかもフランスパン、はみ出してるし!!(怒)


こんな些細なところに引っかかる
自分もどうかと思いますが

いや、こういう“スタイル”っぽさが
ダメだったんですねえ。



しかし、ヤクザの親玉役を



「リリー・フランキー・・・?まさかね・・・?」と
ずっと思って見てた自分(大失笑)。

お前が一番おバカじゃねえかって。


★7/17から全国で公開。
「シュアリー・サムデイ」公式サイト
コメント (4)
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ハング・オーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

2010-06-16 13:54:46 | は行
底の浅~いハンサムこと
ブラッドリー・クーパーが
最近、ちょっと攻めてきてるんですよー。

「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」57点★★


タイトルはずばり“二日酔い”。
全米で大ヒットしたというコメディで
なんとゴールデン・グローブ賞最優秀作品賞を受賞してます。


結婚式を控えた花ムコを連れて
ラスベガスにやってきた
フィル(ブラッドリー・クーパー)ら悪友たち。

高級ホテルに泊まり「乾杯~!!」と盛り上がった男4人だが
翌朝目覚めると、全員一切の記憶がない!

部屋は荒れ放題、花ムコの姿はなく
バスルームには虎がいる!

いったい彼らに何が起きたのか?
史上最悪の二日酔いの後始末がいま始まる――。ゲー。



独身最後にハメをはずすのが
アメリカの慣習ということで
このシチュエーションはまま映画でみかけます。

女性がやるパターンもあるけど
まあこれは完全に、男性向けの映画だなあ。


下品なギャグもたっぷりで
いかにも“男子のバカ騒ぎ!”って感じ。
正直、女子にはノリにくい・・・。


まあそんななかで
ところどころシリアスになる瞬間が
妙におかしかったりもしましたが。

あとはやっぱり
ブラッドリー・クーパーの存在が笑えましたねえ。


ロマコメ常連の優男が
初めて主役級をゲットし本作でブレーク。

劇中でも「顔だけ」みたいにいわれてるし
あのマイク・タイソン(!)の横で
ビビリながら座ってたりするのがおかしい(笑)



彼はこの後、これまた全米でヒットした
「特効野郎Aチーム」(8/20公開)にも出演。

なんだかすっかり“ブラザー”な感じ?


例えば草野球チームとか、仲良し男性グループで
連れだって見たら楽しいかもしれません。

もちろんビールつきで。

あ、エンドロールの映像には
釘付けになりました。


★7/3からシネセゾン渋谷ほか全国で公開。

「ハング・オーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」公式サイト

本作の日本公開のために
わたなべりんたろうさんや町山智浩さんが
署名活動などで尽力されたそうで

“見る機会を提供する”行為、
映画に関わるものの鏡!ですね。
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社長の座

2010-06-15 03:22:47 | ぽつったー(ぽつおのつぶやき)
サッカー、やりましたね!

で、今日も小太朗ネタ。


うちに来てわずか6日目。

ずっとふところで寝てた甘えっ子だったくせに
ちょっと家を空けて帰ってきたら

あっさり社長の座(イス)を奪われてました・・・。


あ、どうぞどうぞ、新社長。




奪わないってば。





かつお兄も大好きだった社長イス。
何かネコを魅了する香りがするのか?
謎すぎる・・・

それとも
番長のオ○ラ?
コメント (6)
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