♪ドミニク、ニク、ニク~♪
字面ではメロディが出ない人も
聞けばぜったい思い出すハズ・・・
1960年代初めに大ヒットした「ドミニク」を作った
あるシスターの人生を描く映画です。
「シスタースマイル ドミニクの歌」69点★★☆
ベルギーの女学生ジャニーヌ(セシル・ド・フランス)は
自分探しの真っ最中。
ギターを学んだかと思えば
アフリカに行くと言いだし
次には美大に行くと言ってみたり
で、あげく修道院へ入ることにする。
案の定、規律になじめない彼女は
あるときギターを弾いて
教会を創立した「聖ドミニコ」を称える歌を作る。
それが思わぬヒットとなって――?!
明るい歌からイメージしていた話と違い
予想外に痛くて悲しい話でした。
まず主人公の
自己表現願望の強さや向上心、
いつも一人で突っ走ってる様子が痛い。
それは共感できるからでも
あるんですけどね。
「なぜ修道院なんかに行く?」と不思議がる周囲に
「(自分は)自由が欲しいのか
束縛して欲しいのか、わからない」
と彼女は言うんです。
これグサッときました。
番長もまったく同じで
反抗心の固まりなのに
「校則」とか「雑誌の方針」とか
“縛り”あるほうが燃えるタイプなんで。
で、彼女は
個性が発揮しにくい修道院という環境に身を投じ
ようやく自己表現に成功するわけですが
その後も順風満帆とは行かず・・・。
まあ彼女の最大の問題は
「人の痛みを理解できない」ことなんでしょうねえ。
まだ若い、というのもありますが
幸せや平穏は、自分の力だけではなし得ない。
そっと回りを見回して
「本当に大切なもの」に
気づいたらよかったのになあ、と
思わずにいられなかった。
人の振り見て我がふり直せ、じゃないですけど
そういう意味ある映画でした。
★7/3からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「シスタースマイル ドミニクの歌」公式サイト