ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

DUNE/デューン 砂の惑星

2021-10-16 22:36:08 | た行

いや~IMAX、堪能しましたよ、これは。

 

「DUNE/デューン 砂の惑星」IMAX版  75点★★★★

 

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ときは1万1091年。

 

砂の惑星(デューン)と呼ばれるアラキスには

「スパイス」という貴重な天然資源があり

その利益をめぐり

長年、激しい争いが起きていた。

 

そんななか宇宙帝国の皇帝が、

アラキスを収める権利を

凶暴なハルコネン家から、民衆から愛されるアトレイデス家に委譲する、と命じる。

 

そしてアトレイデス家の子息ポール(ティモシー・シャラメ)は

父(オスカー・アイザック)と

母ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)とともに

砂の惑星に降り立つ。

 

だが、それは恐るべき罠だった――!

 

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いや~、久々のIMAX体験。

「テネット」(20年)ぶりくらいですかね)

堪能&没入いたしました!

 

CGに頼らず作られた

ズッシリとくるメカの重みと、砂の重み。

地響きをたて、腹に響くハンス・ジマーの音楽。

 

そんなドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のアート世界に

ティモシー・シャラメの美しさがハマって

眼福でございました(笑)

 

SF大作ながら決して「アベンジャーズ」的にならないところが

ドゥニ・ヴィルヌーブらしさなんですよね。

 

 

ストーリーは宇宙規模。

強大な権力を持つ皇帝や公爵家どうしの裏切りと闘い――という王道SFサーガで

なんか「スター・ウォーズ」みたい?

二翼の乗り物とか完全に「ナウシカ」っぽいけど?とか思うけど

いやいや、この原作が、それらすべてのもとになってる、と知ると

また深ーい。

 

ヴィルヌーヴ監督の足跡も、ここに来るべくしてきた、という感じで

空に浮かぶシンプルにして謎めいた宇宙船の造形は

「メッセージ」(16年)のイメージだし

ハンス・ジマーの腹響き音楽との効果は

「ブレードランナー2049」(17年)

で実証済みだもん。

 

自分の世界観の構築は完璧で

そこにハマる俳優も、完璧に想定している。

 

ということで

ハッキリ言って、これはティモシー・シャラメでなかったら

ちょっと考えられないというか、つらい155分になったかもしれん(笑)

それほどに、彼の

ちょっと浮世離れした、ビジュアル的に現代社会では異質なほどの

「王子感」がハマってるんですよね。

(本人がクレバーで気さくな青年、というところがまたスゴイんですが)

 

確固たる世界観を表現できる、技術の進歩もあれど、

これは彼を得てこそ、の映画だったのではつくづく。

 

個人的には

 

砂が水のように、海のように流れて見える様子が

めちゃくちゃ美しくて、好きでした。

 

1965年にフランク・ハーバートによって書かれた原作が

どれほど映画人やクリエーターたちを魅了したのかを

改めて感じ入りもするのですが

 

その魅力をひもとく手がかりには

アレハンドロ・ホドロフスキー監督がかつて挑戦した本作への思いと

デヴィッド・リンチ版への爆笑なダメ出しを含む

ドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」(13年)が最高なので

こちらもぜひ合わせてご覧ください!(笑)

 

★10/15(金)から全国で公開。

「DUNE/デューン 砂の惑星」公式サイト

コメント (3)
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