ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ホドロフスキーのDUNE

2014-06-11 23:48:39 | は行

「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」、学生時代に見たなあ。
寝た気がするけど(ヤバイ!笑)


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「ホドロフスキーのDUNE」74点★★★★


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超カルト映画
「エル・トポ」(70年)「ホーリー・マウンテン」(73年)などで知られる
アレハンドロ・ホドロフスキー監督(85歳)のドキュメンタリー。

内容はホドロフスキー監督が1975年に企画し、
「映画史上最も有名な実現しなかった映画」と言われる
SF大作「DUNE」の顛末を明かにするものです。

いや~
こんな凄いことが起こっていたなんて、知らなかった!


語られるべき対象がとにかくオモシロイ!という
ドキュメンタリーの好例ですね。


その人の部屋と本棚から入る冒頭は
オーソドックスだけれど、

元々役者でもある監督だけに、
84歳にして、ものすごくアグレッシブな
その人間性に(演じてるとしても)圧倒されるんですよね。

珍妙にして奇異な(失礼!)カルト映画を作るのに、
本人がかなりの人たらしで、素敵な人物だというのも
すげえおもしろくて。

映画「DUNE」の企画を動かそうとする彼は
まず
大友克洋氏も影響されたという
フランスのコミック作家・メビウスを見つけ出して
絵コンテを書かせたり、(この絵コンテが、ネ申にすごい!

「エイリアン」前のH.R.ギーガーを見い出してデザインをさせる・・・などなど

その後、大きく羽ばたいていく
若き才能を発掘し、導く
“マスター”としての才能を発揮。

その妥協なき情熱全てが
「自分の夢の実現のため」なんだから
これまたすごい!

人を口説き落とす術としても
学ぶこと多し。

美食家オーソン・ウェルズ出演を口説くのに
「お気に入りのレストランのシェフを撮影専属に雇うから」とか

ダリに提示した条件の絶妙さとか、

相手の興味を引き、自尊心をくすぐる
その口説きのテクがすごい!

相手も得することなければ動かないものね。

5月に惜しくも急逝した
ギーガーが出てくるのも素晴らしいし。

そしてこの企画を持っていかれ
後にデヴィット・リンチ監督が作った
「デューン/砂の惑星」(84年)を観た感想を語る
ホドロフスキー氏の、あの表情といったら!(笑)

さらにこのドキュメンタリーをきっかけに
23年ぶりの新作「リアリティのダンス」(7/12公開)も完成させるなど


いや~
最高にエネルギーに満ちた、チャーミングな監督に
元気をもらいました。

必見。


★6/14(土)から新宿シネマカリテ、シューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか公開。全国順次公開。

「ホドロフスキーのDUNE」公式サイト

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