なんと素敵でおっきなドキュメンタリーだろう!
********************************
「愛と法」80点★★★★
********************************
大阪で法律事務所を構える
ゲイの弁護士カップルを
10歳からオランダで育った戸田ひかる監督が撮ったドキュメンタリー。
いや~とにかく、いい映画で(笑)
チラシやパンフにも使っていただいた拙コメント
"リアル「きのう何食べた?」であり、「チョコレート ドーナツ」だ! ”が
ホントそのまんまなんですよ(笑)。
主人公は弁護士ふうふのカズ&フミ。
映画にまず写るのは、二人のフツーの暮らしです。
仕事を終えて家に帰ると、可愛い猫が二人を出迎え、
フミがごはんを作り、カズが後片付けをする。(「きのう何食べた?」でしょー?笑)
そんな
二人の微笑ましい日常とともに、
彼らが扱う案件が紹介されていくんですね。
二人のもとにやってくるのは
セクシャル・マイノリティーや無戸籍に悩む若者などなど。
「君が代」を歌わなかったことで処分を受けた先生や
"ろくでなし子裁判”の弁護もする。
そうした人々を助けるべく奮闘する二人の様子から
日本の現状が、よーく見えてくる。
異質なものを排除し、「空気を読む」ことを強要するニッポン。
そこからはみ出した人々が
どんどん声を上げられない社会になっていく不穏――
愛とユーモアとともに
想像より大きな問題を提起してくる
その点が、この映画の「おっきい」ところなんです。
そんな社会のなかで彼らのあったかい家庭と
彼らを理解し、受け入れている家族のぬくもりが、
どれほど大事か、どれほど素敵か。沁みる。
二人の家族も素敵だけど
ろくでなし子さんのお父さんも素敵なんですよ(泣)
そして、二人が面倒をみる少年カズマくんのエピソードがまたいい。
愛を与えられた子は
次の誰かに、愛を継いでいくことができるのだ――と
あったかい想いがじんわり押し寄せて、
ホント、泣けてくるわー。
AERA9/24号で戸田ひかる監督にインタビューをさせていただいております。
で読むことができます~。ぜひ映画と併せてご一読くださいませ。
★9/22(土)から大阪 シネ・リーブル梅田で先行公開中。9/29(土)から渋谷 ユーロスペース、ほか全国順次公開。