フランスを舞台に描かれる
“共生”の重要性。
いま観るべき映画、でしょう。
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「バベルの学校」74点★★★★
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舞台はパリの中学校。
リビア、ウクライナ、中国、スリランカ、ギニア……
20の違う国籍の子どもたちが集まったクラスを追うドキュメンタリー。
これは、見応えありました。
映画は各国の「こんにちは」を教え合うシーンから始まるんですが
ここですでに言語の違いが、宗教・民族対立へと発展していく
まさに「バベル」な状況が巻き起こり
相当、ハラハラします。
育った環境や事情から心を閉ざし、
取りつく島もない子もいるんですが
しかし
粘り強い女性教師の引っ張りもあって
子どもたちはだんだん「違い」と「共生」を学んでいく。
そして
クラスが段々ひとつになっていくんですねえ。
学期の終わるラストは感涙ものでした。
監督は「やさしい嘘」「パパの木」と
感情表現の巧みなジュリー・ベルトゥチェリ。
そうそう、彼女はもともとドキュメンタリーの監督なんだった。
うまいですね、さすが。
それにしても。
授業のなかでクラスの子どもたちの「特技」が
ちょこちょこ披露されるんですが
チェロを弾く子も、歌手を目指している子も、マンガを描く子も
さらっと披露するその特技のレベルが、半端ないんだ!
国を追われたり、苛酷な状況にいる彼らは
総じて早く大人になるようで
生きることにも、とても真剣に見える。
心に刺さりました。
★1/31(土)から新宿武蔵野館、渋谷アップリンクほかで公開。
「バベルの学校」公式サイト