あれから3年。
なにか変われただろうか、自分。
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「1000年後の未来へ -3.11保健師たちの証言-」68点★★★☆
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秋田県の自殺対策活動を追った
「希望のシグナル」(2012年)の
都鳥拓也・伸也兄弟による
3.11ドキュメンタリーです。
市町村の市役所にいて
各家庭をまわったり健康相談にのったりする
“保健師さん”が
震災のとき、どう動いたかを描いたもの。
「希望のシグナル」と同じく
素直に、謙虚に、対象に寄り添い
際立たせるスタイルに、まず好感が持てます。
今回は
保健師さんを束ねるような立場の
菊地さんという女性を中心に
保健師の仕事とはどういうものかを聞きつつ、
被災地で保健師がどのように活動したか、を写し取っていく。
各地から「じっとしてられない」と
ほとんど自主的に被災地を訪ねた保健師さんたちは
避難所や家庭で、とにかく一人一人に向き合い、
血圧を測ったりしながら、話を聞く。
それは
震災以降、改めて大切だとされた
「あなたのことを、ちゃんと見ているよ」という
丁寧なメンタルケアの自然なありかたで。
救われるよね、これは。
3.11以降の「とにかく何かしなきゃ」を
そのスキルを持って、有効に実行した彼女たちの記録は
とても貴重で、考えるもの多くありました。
ただ、この映画はもともと
保健師資料館用の記録映像として依頼されたものだそう。
その内容の貴重さから
「一般にも伝えるべき」と再編集されたようで
後半にある「保健師さん勉強会」シーンなどは
けっこう専門的というか
知らずに見ると
ちょっと違和感があるかも。
でも
3.11をいろんな視点から見ること、
そして
「かわいそうだね」「大変だよね」ではなく
「いまこのときも、そこで、できることをやっている人」を見ることで
感じるものは、確かにありました。
★3/15(土)から渋谷アップリンクほか全国順次公開。
「1000年後の未来へ -3.11 保健師たちの証言-」公式サイト