本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作。
ずっしりきますぜ。
「ソハの地下水道」71点★★★★
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1943年のポーランド。
ナチスによるホロコースト(ユダヤ人狩り)が行われるなか、
貧しい下水処理工のソハ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)は
連行されたユダヤ人たちの家で金目のものをいただき、
妻と幼い娘を養っていた。
あるときソハは、地下水道に脱出口を掘ろうとする
ユダヤ人たちに出会う。
誰よりも地下水道を知り尽くしているソハは
彼らに隠れ場所を提供し、
その見返りに金を受け取ることにする。
しかしそのことがソハの運命を
大きく変えることとなり――。
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145分、長い!疲れた!(苦笑)
でも、この疲労感こそ狙いだろう。
暗く冷たく、臭い地下道に
隠れ続けたユダヤ人たちの苦労は
こんなものではないんだから。
実話をもとにした物語で、
決して完全なる善人ではないソハが
成り行きからユダヤ人らをかくまうことになる。
映画はソハの善意を美化することもなく進むので、
「いつナチスに見つかるか?」「いつソハが裏切るか?」など
予測不能で
常に緊迫感が絶えない。
さらにホロコーストたちの
セックスも含めて生々しい生が描かれているのが本作の特徴かな。
ソハの行動は宗教や信念に基づくわけではなく、
あくまでも「反射神経」なのだと思う。
損得抜きで「ほっとけない」とか
自分でも思ってもいないような
ピュアな動機に突き動かされることがあったり、
反転して、いきなり見放したりとか。
そして、それが
意外に人間の真理なのではないかなと。
そんなソハとユダヤ人とつなぐのは、
今にも切れそうな一本の細い糸なのだ。
それは良心なのか、それとも・・・。
映画なのにすさまじい臭気が漂ってくる気がする
気概に満ちた作品です。
★9/22(土・祝)からTOHOシネマズシャンテほかで公開。
「ソハの地下水道」公式サイト