やっぱり内田けんじ監督はおもしろいっ!(笑)
「鍵泥棒のメソッド」83点★★★★
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売れない役者の桜井(堺雅人)は、
無職で金に困り、追い詰められていた。
そんなとき、銭湯で
高級そうなスーツの男(香川照之)と一緒になる。
すると、男は風呂場ですっころび
救急車で運ばれてしまった。
ボー然とそれをみていた桜井は、
男が落としたロッカーの鍵を拾う。
出来心でロッカーを開けると
そこには大金の入った財布が――。
さあ、どうする?!
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「運命じゃない人」「アフタースクール」と
いつも「うわあ、やられた!」を提供してくれる監督の3年ぶりの新作。
脚本のセンスは本当にピカイチで
最小限かつ簡潔な描写で登場人物の個性を描き出し、
物語にノセていく、その造形の丁寧さ!
セリフもおかしく、
そしてまた、観客を見事に騙すのだ(笑)。
冒頭、
広末が生真面目に「結婚宣言」をするシーンにまず吹き(笑)
続いて
香川照之の几帳面な殺し屋ぶりと、
しまらない堺雅人、それぞれの個性を
あっという間の数分で描いてみせる。
そして
風呂屋ですっころんで運ばれた香川を見て、
出来心で鍵を取り替える堺。
後日、律儀に病院へ荷物を返しに行くと
男は記憶を失っていた……という展開。
それでもって
下手くそなヘタレ役者が殺し屋のふりをするハメになり、
生真面目な殺し屋が演技メソッドをマジメに学んで
役者をこなしていっちゃう。
そんな込み入った状況を、
いとも楽しそうにすいすい描いていくのが
なんとも痛快なんですね。
そしてただ笑うだけじゃなく
人間の生きる“姿勢”が人生を左右するのだ、という
教訓もチクリ描かれて。
違う意味で、
堺氏VS香川氏の演技合戦になっていくあたりもうまいしねえ。
特に
香川氏って、最近の邦画では
エキセントリックな悪役とか(「るろうに剣心」・・・)
魔法の国の人とか(「ひみつのアッコちゃん」・・・)
そんなんばっかりなんで、
「そうだよ!こう使って欲しいなア!」と
うれしくなりました。
背丈の違う二人の服ネタや、
クッキー缶に詰められた、あるものの造型にも爆笑!
もう、芸が細かい!(笑)
★9/15(土)から全国で公開。
「鍵泥棒のメソッド」公式サイト