ミャークとは宮古島のことです。
「スケッチ・オブ・ミャーク」70点★★★★
沖縄・宮古島に伝わる“神歌”を
歌い継いできた人々を記録したドキュメンタリー。
その多くが90代(!)という貴重さもあり、
彼女たちの経験や、歌も飽きないけど、
やはり文献でしか知らなかった神事の場面を
見られるのが凄い。
50歳~57歳までの既婚女性がクジ引きで選ばれ、
歌や行事を執り行う“神女(ツカサンマ)”となるそうで、
選ばれた方々は
ごく普通のお母さんたちなんですが、
これがみなさん
フツーに神の化身を見るし、予知夢も見るんですわ。
「神女に選ばれるかどうか、緊張しました?」とか聞いても
「え?いや、前の日にね、もう見たからさ(夢でね)」とか(笑)
取材者と話が一瞬噛み合わなくなるさまも可笑しいですよ。
この地では、あちらとこちらは、地続きなんだなあと
つくづく思い知りました。
映画に登場する人々は
2009年に青山の草月ホールで公演を行っており、
そのときの模様も映し出されて聴き応えあります。
特に見事な三線と歌を聴かせる10歳の少年が愛おしい。
これからのミャークの
たくましい希望ですねえ。
本企画の発端であり案内人ともなる音楽家・久保田麻琴氏は
劇中で
「人頭税にあえぎ、苦しい中で生まれた宮古の歌は、
洗練された沖縄民謡より、ソウルフルでエッジが利いている」と話していました。
確かにそんな感じ。
沖縄に興味ある人には特にオススメです。
★9/15(土)から東京都写真美術館ホールで公開。ほか全国順次公開。
「スケッチ・オブ・ミャーク」公式サイト