流血の少ない、静かな戦争ものは好きです。
「日輪の遺産」66点★★★
1945年、8月。
終戦間際の日本で
「マッカーサーの財宝を隠匿せよ」という
国家の重要機密を託された、3人の軍人。
温厚で冷静な少佐(堺雅人)と、
理知的な中尉(福士誠治)、
唯一、戦地経験のある軍曹(中村獅童)。
そして彼らの任務を手伝うことになったのは
20人の女学生たちと
彼女たちを率いる教師(ユースケ・サンタマリア)だった。
2011年のいま
久枝(八千草薫)が当時を振り返り、
その秘密を語り出す――というお話。
浅田次郎氏原作。
戦争話なのに怒号や銃声もなく、
抑制が効いていて、品がありました。
品、はおおむね、
出演する八千草薫さんの印象って気がしますが。
「財宝」とかいうんで
もっと派手なサスペンスかと思ったんですが、
まったくそういうものではありませんでした。
でも、小さい規模なのがかえっていい感じ。
見たあと、すれ違う老婦人に
「こんな過去があってもおかしくないんだ」と
ふと思ってしまうような
不思議な感覚が残ります。
それだけ
戦争と現代をうまくつなげた証拠でしょう。
中村獅童氏も、久々に丈に合った印象的ないい芝居。
ちなみに本作は、あちこちの試写室でも
おおよそ70代上あたりの方々の会話で
「いいね」「よかったよ」と評判になってました。
ただ、おおかたの展開が見えたあたりから
終幕までが長すぎますね。
あと30分縮めたら美しかったな。
★8/27から全国で公開。
「日輪の遺産」公式サイト