ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

恋するベーカリー

2010-01-01 16:58:56 | か行
あけましておめでとうございます。
今年も番長をどぞよろしく。

さて新年一発目は



「恋するベーカリー」69点★★☆


メリル・ストリープ、出まくりですねえ。


「ホリディ」「恋愛適齢期」など
恋愛モノの権化、ナンシー・マイヤーズ監督による
アラ還・ラブストーリーです。


人気ベーカリーの経営者ジェーン(メリル・ストリープ)は
元夫(アレック・ボールドウィン)の浮気が原因で
10年前に離婚し、3人の子どもを育てあげた女性。


最近は、建築家アダム(スティーブ・マーティン)と
ちょっとイイ雰囲気に。


が、あるホテルのバーで
元夫と偶然会い、盛り上がった彼女は
勢いでベッドを共にしてしまう。

元夫は再婚し、すでに既婚者。
「え?これって不倫になるの?」――という
“因果は巡る”な恋愛話です。



まあ、さすがによく練られた上質な映画でした。


軽妙で洒落てて、笑えることころも多いし

主な舞台となるジェーンの住む一軒家が
すっごく素敵だし。

“酸いも甘いも”世代の恋愛を
複雑さを内包しつつ
極力“フレッシュ”に描いている点も評価。


んでもってハッピーハッピーでなく
ちょいほろ苦さが残るところは
さすがに熟したオトナの映画でした。


主演男優2人が今年のアカデミー賞の
司会を務める旬のオヤジなのも話題です。


ただ、タイトルから勝手に想像してたのが
「ジュリー&ジュリア」的な
美味しいパン&女性の仕事&生き方的なストーリーだったので
(試写状だってコレだもん)

      ↓



そういう意味では想像とかなり違ってた。



かなりガッツリ濃いラブストーリーなんですよ。


ベーカリーってより
濃厚なフォアグラって感じ。


ナンシー・マイヤーズってやっぱり
ラブの比重が大きいんだなあ。
番長としてはもう少し
“生き方”方面を補填して欲しいのであります。


それに
幾つになっても恋していただいて結構なんですが
親世代を想起しかねないこの世代の恋愛は
ちょっと生々しくもあり。

わたくしもまだまだひよっ子でございます。

★2/19から全国で公開。

「恋するベーカリー」公式サイト
コメント (2)
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