ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

シャネル&ストラヴィンスキー

2010-01-02 16:04:37 | さ行
昨年から続いた
シャネル伝記映画、第3弾。

「シャネル&ストラヴィンスキー」70点★★☆


ロングランヒットした
シャーリー・マクレーン版、

「アメリ」のオドレイ・トトゥ版

のなかでは、一番大人っぽい映画でした。


舞台は1920年、シャネル37歳のころ。

最愛の人の事故死を乗り越えた彼女が
女としてデザイナーとして
もっとも熟した時代。


そんな彼女が出会ったのが
「春の祭典」で知られる作曲家ストラヴィンスキー。


芸術という絆で結ばれた二人の間に
やがて静かに熱く
の炎が燃えさかる――というお話。



実際にシャネルはストラヴィンスキーのパトロンであり
二人の知られざる恋もあり得たであろう話です。


まず映画全体のトーンが
ブラック&ホワイトのシャネルカラーに統一されていて
とてもスタイリッシュ。


それに
シャネル役の女優アナ・ムグラリスは
2002年からシャネルブランドのミューズとしても
活躍しているフランス人女優。


これまでのシャネル映画のなかで一番美人でスタイルよく、
シャネル本人にとっては
最もうれしく、納得のいく作品じゃないでしょうか。


ストラヴィンスキー役のマッツ・ミケルセンとのコンビも
絵的に美しく
濡れ場もガッツリ魅せてくれます。


ただ創作のエネルギーを背徳のセックスに求めつつ
妻子も捨てきれない
芸術家“だめんず”の描き方は
ちょっとありきたりかな。


ともあれバレエと音楽、ファッション、そして恋と
新年にふさわしい
芸術性の高い映画です。


★1/16からシネスイッチ銀座、Bunkamuraルシネマほか全国で公開。

「シャネル&ストラヴィンスキー」公式サイト

コメント (2)
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