いろいろと、残念な点や疑問が残る話だったなあ…
1.頭のキレる(“聡明”とは言いたくない)栗原志津子(美村里江)が、姉小路(福澤重文)に惚れ、執着するのか、理解不能
そもそも《遊び程度の浮気は許容》というのも疑問に感じた。さらに、ふたりの密な関係が教育上よろしくないとして、志津子が退職したのに、姉小路が悦子(真飛聖)に惚れて、婚約破棄!
……そりゃあ、殺意も抱くよなぁ
しかし、小手鞠の言う「男は女を恨み、女は女を恨む」を、志津子が実践しようとした。
この言葉に類する法則?はかなり以前からあったが(逆の意味だったかもしれない)、それは復讐者の人格や、恋慕相手の性格や行為によっても変わるだろう。仮に(←これが肝要)私だったら、恋敵を標的にする(←仮にです)
それはともかく、殺された姉小路はクズ過ぎ。「女癖が悪い」といった程度ではなく、悦子に付き纏った挙句、甲斐享(成宮寛貴)の件で悦子を脅迫し支配しようとした。
志津子は、悦子を“存在自体が罪”と言ったが、姉小路の“存在自体がクズ(毒)”である。悦子はそのクズに付き纏われ、脅かされた被害者である。志津子の思い込みは、”八つ当たり”、"逆恨み”でしかない(それ以上か)。
脚本の輿水氏は、志津子の凶器を描きたかったのだろうけれど、その志津子に対する右京の非難・説法は、ネットを介してのモニター越しで、迫力は全くなかった。もっともっと激高してくれないと……
2.志津子の手駒・黒須真士……主体性ゼロ
不遇な境遇("遇”が重複していますが)の黒須の面倒を見たが、どういうつもりだったのだろうか?……教育者として、人間として黒須を放っておけなかったのか?…『鎌倉殿の13人』の善児が、トウを弟子として育てたように、「飼う」という意識だったのだろうか?
黒須に凶行を手伝わせたことを右京に責められ、「孝行な息子を持った」と志津子は言い放った。この言葉からすると、「飼う」になるが、面倒を見始めた時は、違ったのかもしれない。
志津子は「あの女(悦子)が自分の人生を狂わせた」と言ったが、どう考えても、元凶は姉小路だろう。繰り返しになってしまうが、志津子が人生を懸けるほどの男だったのだろうか?姉小路は。
3.かなりリスクの大きい姉小路殺害
幕の裏を通って移動し、気を見計らって殺害。そして、気を見計らって脱出……気づかれずに実行することは可能だろうけれど、幕の裏が死角ということは、誰でも発想できそうで、それを得意気に語る特命係(特に亀山)の画は《なんだかなあ》と。(けっこう尺を割いていたし)
でも、実際には「スカートを穿いていた人物(顔は見えなかった)」を悦子の息子・結平(森優理斗)に目撃されていた。
この結平の証言がスピード逮捕には繋がったのだが、ストーリ的な必然性はなかったように思う。右京たちの推理の裏付けにはなったが、推理のヒントになったわけではなく、ロビー?のカメラには映り込んでいたのと、犯行動機を持つ一番手として志津子が浮かび上がっていたので、不可欠な要素ではなかった。
そもそも、志津子は逮捕されることを前提に殺害計画を立てており、悦子の弱点のダークナイト・亨の調査資料の入った悦子宛ての郵便物を投函するだけの時間があればよかった。だったら、密かに殺害し、それを郵送するか、直接、悦子に手渡し、謝罪に見せかけた脅迫(結平の父が犯罪者ということ)をすればよかったように思うが、公衆の面前で殺害することが、復讐心を満足させ、かつ、悦子に動揺を与えられる。
姉小路殺害の顛末についてはやや釈然としない部分も多いが、ドラマ冒頭のインパクトとしては成功とは言える。
4.なぜ、そこまで?(志津子&黒須)
一介の元教師と宅配員が、東国での諜報活動もどき行為ができるのか?……甚だしく疑問
そこまでできる能力があるのなら、なぜ、姉小路に嵌まってしまったのか?
姉小路と関係が破局→悦子への復讐という思考……甚だ疑問
よほどプライドが高くて、《悦子に婚約者を奪われた》しかも《悦子は姉小路を迷惑としか思っていない》ことが許せなかったのだろうか?
5.VIVANTもどきの脱出劇
連行される悦子を救出し、警察の追手から逃れる右京と亀山。偽造パスポートや変装で無事出国させる捜一トリオ&美和子……VIVANT感とネットでも話題になったらしいが、私もそう感じた。
VIVANTよりチャチに思えるのは仕方がないが、よく短時間であれだけ準備ができたものだ。
さすが、”謎の領事館員”(←エンドロール・笑)津田健次郎! 個人的には、顔を出さなかったのが"謎”
社美彌子(仲間由紀恵)&領事館のバックアップがあるとは言え、悦子や特命係はこのまま無事でいられるの?
悦子は○○航空の客室乗務員と特定されているし、逃亡に領事館が絡んでいることも嗅ぎ付けられているみたいだし……
甲斐峰秋(石坂浩二)が保証しても、峰秋自体、権力なさそうだし。
あと、領事館で峰秋を出迎えた右京たちは何故、浴衣? 峯明が持ってきたのはふたりの私服?
【ストーリー】(番組サイトより)
三代目相棒・甲斐享の息子の周囲で惨事が
享のパートナー・悦子にも魔の手が迫る!
甲斐享(成宮寛貴)と笛吹悦子(真飛聖)の息子・結平(森優理斗)が、学芸会の演劇で主演を務めることになり、祖父の甲斐峯秋(石坂浩二)は早々に会場入りし、開幕を待っていた。学芸会といっても立派なホールを借り切っての催しで、峯秋は孫の晴れ舞台に、社美彌子(仲間由紀恵)とその娘・マリア(土方エミリ)も招いていた。同じ会場に、右京(水谷豊)、薫(寺脇康文)、美和子(鈴木砂羽)の姿もあった。
右京は、享の逮捕後も悦子とその息子を気に掛け、交流を続けていたのだった。また、峯秋の長男で享の兄の甲斐秋徳(新納慎也)は、結平の父親代わりを務めており、この日も保護者として、悦子とともに舞台袖で結平を見守っていた。
そんな中、結平の担任・姉小路(福澤重文)が、悦子に声を掛けてくる。その言動には、単なる“担任教師”にそぐわない不穏な空気をはらんでいた。そうこうするうち幕が開くが、その最中、なぜか出演予定のない姉小路が、フラフラとステージに現れ、舞台上で卒倒する。背中には、深々と刃物が突き刺さっていた。騒然となる会場。右京と薫は、緊急事態を察し、即座に動き出す。
と、意外なほどあっさり、容疑者が浮上した。姉小路は異性にだらしなく、同僚教師だった栗原志津子(美村里江)との婚約を一方的に破棄した過去があった。そのいきさつは非道なもので、志津子が姉小路に強い恨みを持つのも無理からぬことだった。
いっぽう、志津子のかたわらには、黒須(阿佐辰美)という若者がいて、彼女から何らかの指示を受けている様子が垣間見られた。この時点で、事件のあらましは判明したかに思われたが、やがて志津子が、姉小路からアプローチを受けていた悦子に対して、異常な執着を持っていることが分かってくる。
衆人環視の舞台で起きた大胆な刺殺事件
容疑者はすぐ浮上するが事件は思わぬ方向へ
犯人の狡猾な罠により事件は海外まで飛び火
右京と薫が特命係史上最も危険な賭けに出る!
ゲスト:美村里江 新納慎也 真飛聖
脚本:輿水泰弘
監督:権野元
第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
1.頭のキレる(“聡明”とは言いたくない)栗原志津子(美村里江)が、姉小路(福澤重文)に惚れ、執着するのか、理解不能
そもそも《遊び程度の浮気は許容》というのも疑問に感じた。さらに、ふたりの密な関係が教育上よろしくないとして、志津子が退職したのに、姉小路が悦子(真飛聖)に惚れて、婚約破棄!
……そりゃあ、殺意も抱くよなぁ
しかし、小手鞠の言う「男は女を恨み、女は女を恨む」を、志津子が実践しようとした。
この言葉に類する法則?はかなり以前からあったが(逆の意味だったかもしれない)、それは復讐者の人格や、恋慕相手の性格や行為によっても変わるだろう。仮に(←これが肝要)私だったら、恋敵を標的にする(←仮にです)
それはともかく、殺された姉小路はクズ過ぎ。「女癖が悪い」といった程度ではなく、悦子に付き纏った挙句、甲斐享(成宮寛貴)の件で悦子を脅迫し支配しようとした。
志津子は、悦子を“存在自体が罪”と言ったが、姉小路の“存在自体がクズ(毒)”である。悦子はそのクズに付き纏われ、脅かされた被害者である。志津子の思い込みは、”八つ当たり”、"逆恨み”でしかない(それ以上か)。
脚本の輿水氏は、志津子の凶器を描きたかったのだろうけれど、その志津子に対する右京の非難・説法は、ネットを介してのモニター越しで、迫力は全くなかった。もっともっと激高してくれないと……
2.志津子の手駒・黒須真士……主体性ゼロ
不遇な境遇("遇”が重複していますが)の黒須の面倒を見たが、どういうつもりだったのだろうか?……教育者として、人間として黒須を放っておけなかったのか?…『鎌倉殿の13人』の善児が、トウを弟子として育てたように、「飼う」という意識だったのだろうか?
黒須に凶行を手伝わせたことを右京に責められ、「孝行な息子を持った」と志津子は言い放った。この言葉からすると、「飼う」になるが、面倒を見始めた時は、違ったのかもしれない。
志津子は「あの女(悦子)が自分の人生を狂わせた」と言ったが、どう考えても、元凶は姉小路だろう。繰り返しになってしまうが、志津子が人生を懸けるほどの男だったのだろうか?姉小路は。
3.かなりリスクの大きい姉小路殺害
幕の裏を通って移動し、気を見計らって殺害。そして、気を見計らって脱出……気づかれずに実行することは可能だろうけれど、幕の裏が死角ということは、誰でも発想できそうで、それを得意気に語る特命係(特に亀山)の画は《なんだかなあ》と。(けっこう尺を割いていたし)
でも、実際には「スカートを穿いていた人物(顔は見えなかった)」を悦子の息子・結平(森優理斗)に目撃されていた。
この結平の証言がスピード逮捕には繋がったのだが、ストーリ的な必然性はなかったように思う。右京たちの推理の裏付けにはなったが、推理のヒントになったわけではなく、ロビー?のカメラには映り込んでいたのと、犯行動機を持つ一番手として志津子が浮かび上がっていたので、不可欠な要素ではなかった。
そもそも、志津子は逮捕されることを前提に殺害計画を立てており、悦子の弱点のダークナイト・亨の調査資料の入った悦子宛ての郵便物を投函するだけの時間があればよかった。だったら、密かに殺害し、それを郵送するか、直接、悦子に手渡し、謝罪に見せかけた脅迫(結平の父が犯罪者ということ)をすればよかったように思うが、公衆の面前で殺害することが、復讐心を満足させ、かつ、悦子に動揺を与えられる。
姉小路殺害の顛末についてはやや釈然としない部分も多いが、ドラマ冒頭のインパクトとしては成功とは言える。
4.なぜ、そこまで?(志津子&黒須)
一介の元教師と宅配員が、東国での諜報活動もどき行為ができるのか?……甚だしく疑問
そこまでできる能力があるのなら、なぜ、姉小路に嵌まってしまったのか?
姉小路と関係が破局→悦子への復讐という思考……甚だ疑問
よほどプライドが高くて、《悦子に婚約者を奪われた》しかも《悦子は姉小路を迷惑としか思っていない》ことが許せなかったのだろうか?
5.VIVANTもどきの脱出劇
連行される悦子を救出し、警察の追手から逃れる右京と亀山。偽造パスポートや変装で無事出国させる捜一トリオ&美和子……VIVANT感とネットでも話題になったらしいが、私もそう感じた。
VIVANTよりチャチに思えるのは仕方がないが、よく短時間であれだけ準備ができたものだ。
さすが、”謎の領事館員”(←エンドロール・笑)津田健次郎! 個人的には、顔を出さなかったのが"謎”
社美彌子(仲間由紀恵)&領事館のバックアップがあるとは言え、悦子や特命係はこのまま無事でいられるの?
悦子は○○航空の客室乗務員と特定されているし、逃亡に領事館が絡んでいることも嗅ぎ付けられているみたいだし……
甲斐峰秋(石坂浩二)が保証しても、峰秋自体、権力なさそうだし。
あと、領事館で峰秋を出迎えた右京たちは何故、浴衣? 峯明が持ってきたのはふたりの私服?
【ストーリー】(番組サイトより)
三代目相棒・甲斐享の息子の周囲で惨事が
享のパートナー・悦子にも魔の手が迫る!
甲斐享(成宮寛貴)と笛吹悦子(真飛聖)の息子・結平(森優理斗)が、学芸会の演劇で主演を務めることになり、祖父の甲斐峯秋(石坂浩二)は早々に会場入りし、開幕を待っていた。学芸会といっても立派なホールを借り切っての催しで、峯秋は孫の晴れ舞台に、社美彌子(仲間由紀恵)とその娘・マリア(土方エミリ)も招いていた。同じ会場に、右京(水谷豊)、薫(寺脇康文)、美和子(鈴木砂羽)の姿もあった。
右京は、享の逮捕後も悦子とその息子を気に掛け、交流を続けていたのだった。また、峯秋の長男で享の兄の甲斐秋徳(新納慎也)は、結平の父親代わりを務めており、この日も保護者として、悦子とともに舞台袖で結平を見守っていた。
そんな中、結平の担任・姉小路(福澤重文)が、悦子に声を掛けてくる。その言動には、単なる“担任教師”にそぐわない不穏な空気をはらんでいた。そうこうするうち幕が開くが、その最中、なぜか出演予定のない姉小路が、フラフラとステージに現れ、舞台上で卒倒する。背中には、深々と刃物が突き刺さっていた。騒然となる会場。右京と薫は、緊急事態を察し、即座に動き出す。
と、意外なほどあっさり、容疑者が浮上した。姉小路は異性にだらしなく、同僚教師だった栗原志津子(美村里江)との婚約を一方的に破棄した過去があった。そのいきさつは非道なもので、志津子が姉小路に強い恨みを持つのも無理からぬことだった。
いっぽう、志津子のかたわらには、黒須(阿佐辰美)という若者がいて、彼女から何らかの指示を受けている様子が垣間見られた。この時点で、事件のあらましは判明したかに思われたが、やがて志津子が、姉小路からアプローチを受けていた悦子に対して、異常な執着を持っていることが分かってくる。
衆人環視の舞台で起きた大胆な刺殺事件
容疑者はすぐ浮上するが事件は思わぬ方向へ
犯人の狡猾な罠により事件は海外まで飛び火
右京と薫が特命係史上最も危険な賭けに出る!
ゲスト:美村里江 新納慎也 真飛聖
脚本:輿水泰弘
監督:権野元
第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
悦子についても、いろいろ思うことがあったのですが、本文で書くほどではないと思いました。(書く気力が足りなかった)
病気が発覚した時、享のダークナイトの件でうやむやになってしまったような……
白血病という大変な病気なのに、ダークナイトのせいで、ふたり(3人か?)について触れるのはタブー状態。普通は、見舞いとか治療とかいろいろあるはずですが、唐突に亮の兄が登場し、骨髄移植で寛解!
亮に兄がいたという設定はあったようですが、あまりの放置状態で、後出しじゃんけん!
そんな設定だったということもあり、視聴意欲が減退。
参事官の行動ですが、脚本家さんの単なる気まぐれかもしれません。今後の展開への伏線として種をまいたようには思いますが。
今後、輿水氏脚本の回については、レビューもあらすじのみにしようかどうか……
今回の見どころは、悦子の再登場でした。無事にカイトの子を出産し、病気も治ったようですね。
カイトと悦子の息子、そしてカイトの兄が初登場。おそらく今後は準レギュラーとなるのでしょうか。
ストーリーについての感想は英さんのレビューにほぼ同意です。姉小路のようなクズのために罪をおかした志津子は愚かとしか言いようがありませんが、やはりプライドが許さなかったのでしょうか。
そういえば、何やら参事官が腹黒い行動をとっていましたね。刑事部長の椅子でも狙っているのでしょうか。
ちなみに、今回のスペシャルは再放送する方向で調整しているようですね(ラストシーンが放送できなかったため)