「あなた方おふたりを僕のゲームのプレイヤーに認定します」
「僕は学習したんだ。“どんなことでも、なかったことにできる”って。
だったらね、人を殺してもなかったことにできるんですか?」
インパクトのある台詞(2つ目の台詞は若干、文脈がおかしい)で視聴者の興味を引く
………この手法自体、ドラマの常套手段であるし、正当な手段である。
しかし、今回、一話を通して、こういった小手先の手法で面白く見せることに走ってしまった感がある。
過去の苛めによる自殺未遂事件、官僚である父と息子・優の断絶(享と峯秋と関係にもダブらせる)、文科省と学園の誘致、意味深な優のゲームの誘い、不動産がらみ(土地ころがし)、ベゼルの謎、享による被害者・中居の足取りの追跡など、テーマや謎解きが絡み合って……面白そう。そう「面白そうなだけ」なのである。
ベゼルの謎は大したことなかったし、足取り追跡も常套手段であり、かなり運が良かったような気がする。事件の真相にしても、脅された理事長がいきなり凶行(撲殺)に走ったり、校長も理事長に指示されて殺人を犯してしまう。さらに、台詞の重複や矛盾、高宮親子の理解不能な心情(後述)など、納得のいかない点が多かった。
①ストーリーや台詞に、重複や無駄や矛盾が多かった
ドラマ序盤、優と右京の推理ゲーム
営業時間外の飲み屋街に男性2人組、水商売関係ではなさそう、殺人現場付近などと、右京と享を所轄の刑事と判断した根拠を得意気に語るが、捜査一課、所轄云々はさておき、殺人現場付近に男二人組がうろつけば普通、刑事と思うのでは。
それに優の言葉には嘘が多い。「父があいまいな供述をしてはぐらかすのは、自分を庇っているから」と思わせるのは良いとして、「ナカイフトシを知らない」や、“父親が強請られていたとような心当たりはないか”という問いに「全くありません」、“本当に?”「本当です」ときっぱり。
ゲームを持ちかけたのに、ゲームに誘う前とは言え、嘘をつくのはゲームが成り立たない。
3年前のいじめ事件を知った享が優に確かめたかったこと
「実の親を密告して、君の狙いはなんなんだ?……それ(狙い)が君の言うゲームなんなんだろ」
「君は何を知っているんだ?中居さんを殺した人間は誰なんだ?」
享君、ゲーム(クイズ)の答えそのものを聞いたら、ゲームにならないだろ!
冒頭のインパクトの強い台詞を、優に吐かせるためとはいえ、興醒めである。
②優がゲームを持ちかけた理由に納得がいかない
特命係にゲームを持ちかけて不動産売買や文科省と学園の癒着を調べさせようとするより、自分が犯人と名乗り出て、父親に真相を語らせようとした方が、過去の苛め隠蔽で心に傷を持っている優にとって、父に≪自分か?官僚システムか?≫を問うチャンスのはず。
学園の裏側を暴くことが、優の目的だったのも納得できない。(父への復讐という目的もあったが)
③官僚は違う人種なんだんなあ(理解不能)
“文科省と学園の癒着を隠し、官僚の天下り先を確保することが、官僚システムを維持する必要悪”で、官僚システムの維持を重要視し、殺人の容疑者でいることを容認した。
個より組織が大事で、自分の人生が崩壊しても構わない。息子への悪影響も顧みない。
苛め・自殺未遂事件を隠ぺいするため、いじめに加担していない息子も加害者に加えてしまうほどだから、今回の選択も当然か。それにしても、ひどい親である。
そもそも、息子がいじめに加担していない無関係者が示談金を支払った方が、取りまとめがうまくいくと思うが……
【ストーリー】番組サイトより
文科省の官僚・高宮(山崎銀之丞)が殺人容疑で逮捕された。しかし、取り調べをのらりくらりとかわし、容疑を認めようとしない。そんな中、警察に「高宮は被害者に強請られていた」という告発メールが届く。一連の出来事に引っ掛かりを覚えた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、独自の捜査を開始。
現場を調べていると、そこに容疑者・高宮の息子を名乗る、優(濱田龍臣)という14歳の少年が現れる。父が殺人などするはずがないと考え、自分で調べているらしい。そして、聡明で如才ない優は、右京から「密告メールを送ったのは君ですね」と指摘されても動じず、逆に「おふたりを僕のゲームのプレイヤーに認定します」と不敵な態度を示す。 その後、右京たちは被害者と優に接点を見つける。小学校時代、優と同級生だった被害者の息子が、いじめを苦に自殺を図っていたのだ。被害者はその遺書をネタに高宮を強請っていたと思われた。
殺人容疑をかけられながらも挑戦的な態度を見せる
14歳の少年は、事件とどうかかわっているのか?
さらに、特命係の捜査から第二の殺人が発覚して…!?
事件はやがて、思ってもみなかった方向へと転がり始める!
ゲスト:濱田龍臣 山崎銀之丞
脚本:森下直
監督:池澤辰也
「僕は学習したんだ。“どんなことでも、なかったことにできる”って。
だったらね、人を殺してもなかったことにできるんですか?」
インパクトのある台詞(2つ目の台詞は若干、文脈がおかしい)で視聴者の興味を引く
………この手法自体、ドラマの常套手段であるし、正当な手段である。
しかし、今回、一話を通して、こういった小手先の手法で面白く見せることに走ってしまった感がある。
過去の苛めによる自殺未遂事件、官僚である父と息子・優の断絶(享と峯秋と関係にもダブらせる)、文科省と学園の誘致、意味深な優のゲームの誘い、不動産がらみ(土地ころがし)、ベゼルの謎、享による被害者・中居の足取りの追跡など、テーマや謎解きが絡み合って……面白そう。そう「面白そうなだけ」なのである。
ベゼルの謎は大したことなかったし、足取り追跡も常套手段であり、かなり運が良かったような気がする。事件の真相にしても、脅された理事長がいきなり凶行(撲殺)に走ったり、校長も理事長に指示されて殺人を犯してしまう。さらに、台詞の重複や矛盾、高宮親子の理解不能な心情(後述)など、納得のいかない点が多かった。
①ストーリーや台詞に、重複や無駄や矛盾が多かった
ドラマ序盤、優と右京の推理ゲーム
営業時間外の飲み屋街に男性2人組、水商売関係ではなさそう、殺人現場付近などと、右京と享を所轄の刑事と判断した根拠を得意気に語るが、捜査一課、所轄云々はさておき、殺人現場付近に男二人組がうろつけば普通、刑事と思うのでは。
それに優の言葉には嘘が多い。「父があいまいな供述をしてはぐらかすのは、自分を庇っているから」と思わせるのは良いとして、「ナカイフトシを知らない」や、“父親が強請られていたとような心当たりはないか”という問いに「全くありません」、“本当に?”「本当です」ときっぱり。
ゲームを持ちかけたのに、ゲームに誘う前とは言え、嘘をつくのはゲームが成り立たない。
3年前のいじめ事件を知った享が優に確かめたかったこと
「実の親を密告して、君の狙いはなんなんだ?……それ(狙い)が君の言うゲームなんなんだろ」
「君は何を知っているんだ?中居さんを殺した人間は誰なんだ?」
享君、ゲーム(クイズ)の答えそのものを聞いたら、ゲームにならないだろ!
冒頭のインパクトの強い台詞を、優に吐かせるためとはいえ、興醒めである。
②優がゲームを持ちかけた理由に納得がいかない
特命係にゲームを持ちかけて不動産売買や文科省と学園の癒着を調べさせようとするより、自分が犯人と名乗り出て、父親に真相を語らせようとした方が、過去の苛め隠蔽で心に傷を持っている優にとって、父に≪自分か?官僚システムか?≫を問うチャンスのはず。
学園の裏側を暴くことが、優の目的だったのも納得できない。(父への復讐という目的もあったが)
③官僚は違う人種なんだんなあ(理解不能)
“文科省と学園の癒着を隠し、官僚の天下り先を確保することが、官僚システムを維持する必要悪”で、官僚システムの維持を重要視し、殺人の容疑者でいることを容認した。
個より組織が大事で、自分の人生が崩壊しても構わない。息子への悪影響も顧みない。
苛め・自殺未遂事件を隠ぺいするため、いじめに加担していない息子も加害者に加えてしまうほどだから、今回の選択も当然か。それにしても、ひどい親である。
そもそも、息子がいじめに加担していない無関係者が示談金を支払った方が、取りまとめがうまくいくと思うが……
【ストーリー】番組サイトより
文科省の官僚・高宮(山崎銀之丞)が殺人容疑で逮捕された。しかし、取り調べをのらりくらりとかわし、容疑を認めようとしない。そんな中、警察に「高宮は被害者に強請られていた」という告発メールが届く。一連の出来事に引っ掛かりを覚えた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、独自の捜査を開始。
現場を調べていると、そこに容疑者・高宮の息子を名乗る、優(濱田龍臣)という14歳の少年が現れる。父が殺人などするはずがないと考え、自分で調べているらしい。そして、聡明で如才ない優は、右京から「密告メールを送ったのは君ですね」と指摘されても動じず、逆に「おふたりを僕のゲームのプレイヤーに認定します」と不敵な態度を示す。 その後、右京たちは被害者と優に接点を見つける。小学校時代、優と同級生だった被害者の息子が、いじめを苦に自殺を図っていたのだ。被害者はその遺書をネタに高宮を強請っていたと思われた。
殺人容疑をかけられながらも挑戦的な態度を見せる
14歳の少年は、事件とどうかかわっているのか?
さらに、特命係の捜査から第二の殺人が発覚して…!?
事件はやがて、思ってもみなかった方向へと転がり始める!
ゲスト:濱田龍臣 山崎銀之丞
脚本:森下直
監督:池澤辰也