「アーリオ オーリオのつくり方」片岡 護著 朝日出版社編 1994年6月初版
“アーリオ オーリオ”というシンプルなパスタのつくり方で、一冊の上製本が
出来てしまったというのが凄すぎる。
1994年といえば、地下鉄サリン事件の前の年。当時私も出版社勤務で恵比寿が
オフィスで、夕方になると宴会をやっていた。一度その席で“ペペロンチーノ”
を作って披露したことがあったので、“一応知られた”料理であったと思う。
この本は、まだ当時“ペペロンチーノ”という名称でしか知られていなかった
“アーリオ オーリオ”を、実に本格的に、そして溢れる愛情を込めて紹介している。
パスタは南イタリアの方が本場で、つまりそれは工業の発達した北イタリアとは
対照的に貧しく、パスタくらいしか食べられなかったから、というあたりから始まり
海からの風で乾燥させたナポリのパスタは、程よく塩味がつくから旨い、などと
書かれては、是非試したいと思ってしまいます。
名著は得てして絵画的です。この本もまるでイタリアにいるかのような画像が
頭の中に浮かんでくるのです。それに加えて、匂いや味までが。
残念ながら、アマゾンでも新品はもうないようです。私も先日中古で手に入れた
ばかりです。
料理の楽しさのひとつは、こういう食材の知識と、買い出しでの食材との出会い。
ということで、本日の買い出し。
夕方家人を迎えに行った帰り、逗子駅前の「魚佐治」という魚屋で中トロと
金目の切り身、明太子を購入。
この魚佐治って、同じ名前で、小坪と鎌倉に魚料理を出す小洒落た店がある。
良く知らないけど、きっと系列なのだろうと思っている。
それから、車を駐車した関係で、すずきや。旨そうな生筋子を発見。
この季節しか作れないので、家人も是非と言うので購入。
家でいつものように、ぬるま湯で身をほぐし、筋などの余分なものを掃除して
漬け汁に。明日の朝は“いくらどんぶり”です。旨く出来てるといいな。