活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

常用型派遣101万人  厚労省発表

2009-01-25 23:15:11 | Weblog
07年度の派遣労働者数が、いまごろ厚生労働省から発表された。その総数は381万人。内訳については1~3ヶ月程度の細切れ契約を繰り返す「登録型」が280万人。「常用型」は101万人だ。

ところで常用型といえば、長期間の雇用が約束されたような錯覚に陥るが、派遣法における常用型とは登録型と同じ、短期間の契約を繰り返しながらでも1年以上勤めれば、常用型として計算される。

その一方で、直近の2ヶ月間でそれぞれ18日以上勤めることでも、常用型として計算されるそうだ。

どちらとも受け取れる解釈を用いて「常用型」の労働者が101万人もいることは、俄かに信ずることはできない。数字を都合よく使い分けて、誤魔化して国民に発表しているように思えてならない。

舛添厚労相にいたっては「常用とは期間の定めのないもの」と焦点のボケた答弁をしている。契約期間のない派遣労働者などどこにいるだろうか。

ただ、はっきりしていることは常用型も登録型と同じ、不安定雇用に変わりはないことだ。「常用」の定義もあいまいにしていることは、無責任を通したい当局には、まことに都合のよいことかもしれない。

不安定雇用の派遣労働に対する、世間の批判をかわしたいための、厚労当局がムリヤリ「常用型」に上積みできる、方便を用意したといったら言い過ぎだろうか。だいたい1年近くも経て、数字を発表すること自体、意図的なものさえ感じる。

派遣労働の実態は「常用型」など存在せず、すべて「登録型」しかないと思わなければいけない。実態はすべて「登録型」だからだ。

そして政・官・財界は、できるだけ派遣労働の実態を隠したいことで懸命だ。なぜなら資本家たちの違法行為の「やり放題」が通用している世界だからだ。