活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

壊れる職場 構造改革が追い打ち

2008-10-18 22:21:52 | Weblog
厚生労働省の08年版労働経済白書によれば、「仕事にやりがい」に満足している人の割合が20%にも満たないことが報告されている。これでは経済成長などありえない。

パートや派遣社員などの非正規雇用者も、07年では1720万人を超え、実に全雇用者の3分の1を占めるまでに至ってしまった。

基準があいまいな成果主義も、職場に蔓延し、この評価をもとに、賃金や地位が決まるから、誰もが不満を抱えながら、就労しいているのがいまの労働実態である。

やりがいの失せる最大原因は、不安定な立場の非正規雇用と成果主義による乾いた職場の雰囲気にあることがはっきりしている。

ではどうすれば良いか。古き良き長期の雇用を約束する、日本型雇用に回帰することと、納得の得られない成果主義の撤廃を急ぐことしかない。寝ぼけ話しているのではない。白書も認めているからだ。

労働の現場では、規制緩和による雇用の流動化で、過去にない格差社会が形成されてしまった。同一労働、同一賃金も是正されないままである。どんなに頑張って働いても、「雇い止め」される不安が解消されるどころか、かえって増幅された。

業績を優先するあまり、非正規雇用や成果主義の導入に走り、非人間的な扱いをする経営者が急激に増えたことは嘆かわしい。構造改革がこのような悪徳経営者を、産み育てたことは明らかである。

これらは社会不安を招く、大きな要素でもある。働く人たちの80%以上がまいにち、鬱屈し、不満を抱いている現実を、政治はすぐさま方向転換し、開放してやらなければならない。

社会全体が息苦しく仕事に「やりがい」が失われている原因が、構造改革に依るものである以上、これに積極的に加担し、関与した政・財界人や偽経済学者の無責任ぶりを見逃してよいものだろうか。

亡国への道を先導した構造改革論者は国賊にひとしい。自ら、自己批判し、急いで舞台から降壇することがふさわしい。