活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

企業の「質」の低下こそ問題だ!

2008-03-10 20:08:10 | Weblog
企業が採用した新卒社員で、5年前の新卒と比べ「質が落ちた」と答えた企業が4割にも達したことが、生命保険会社が実施したアンケート調査の結果が報道されていました。

社員の働きに不満を唱える会社特有の戯言としか言い様がありません。同時に、会社としての社会的責任の欠落も相当なものと感心しました。

それは、新卒の社員をコミュニケーション能力と協調性のなさに泣き言を言っているからです。嘆いている会社こそ「大いに問題あり」です。

もともとコミュニケーション能力は持ち合わせていないのが、いまの若い世代の特長です。自己表現の苦手な彼らに、一人前の能弁さや口八丁手八丁の対人関係構築を求めているようですが、ろくに社員教育もせず「即戦力」ばかりを欲しているように見えるのは、欲張りというものです。経費がかかるといって、教育をほとんど行わない会社が間違いなく5年前、10年前に比べて増えています。

協調性についても「ある」、「なし」を問題視していますが、画一的で「協調性ある」新卒ばかり集めてどうするつもりでしょうか。会社が個性を伸ばすことを怠っていることに他なりません。あまりにも手前勝手な論理ばかり、先行していますが、肝心の会社本体の「質」が落ちていることこそ心配しなければなりません。

一例をあげれば、早すぎる採用活動などルール違反を繰り返す企業の「質」の落ちようは、目を覆いたくなることばかりです。会社が自分勝手では本末転倒といわれても返す言葉もないでしょう。

ついでにもう一言。人材を募集するにあたり、貴重な時間を割いて駆け付ける、応募者に交通費等の一定額の支払いもしない会社が多いそうです。少しは面倒見たらいかがでしょう。自己負担が当たり前と考える会社が増えたのは、やはり「質」が落ちたと言われても仕方ありません。「採用してやる」という高飛車な会社ではダメです。

現実に、このような会社ないでしょうか。それは、安上がりの広告宣伝費を使い、採用する気もないのに募集している会社です。交通費も払わず、面接で振るいにかける会社があるやに聞きます。これこそ悪質企業というべきです。

先ずは、社員の「質」の低下云々の前に会社の「質」の向上を目指して欲しいのです。嘆いたり、不満ばかりでは定着率も下がり、結局は優秀な人材は見出だすことはムリでしょう。

会社側こそ反省することが多いはずです。カネもかけずに、要求ばかりエスカレートするイヤな会社では、新卒も難儀なことばかりでかわいそうです。