活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

当てにならない役所の数字!

2008-01-19 22:22:50 | Weblog
昔から政・官・財界が癒着していることは有名な話です。徹底した調査もせず、都合のよい数字を発表するのも、かれらの共通の体質です。

いま、スポット派遣のありように付いて、世論の厳しい批判が渦巻いていますが、許認可した厚生労働省は年末に、派遣労働者の賃金等の調査結果を公表しています。それは、前述の批判をかわすため、苦し紛れで数字を操作したとしか思えない業界に味方した内容の発表となりました。

賃金の高い業種を意識的に抽出して、ことさらにスポット派遣の効用を強調したい意図が、そこに感じられるのです。また、スポット派遣がワーキングプアの温床になっていることも否定したいようです。

スポット派遣の平均賃金額は以下のとおりです。06年度の時間あたり、賃金は1321円(8時間換算10571円)です。この欺瞞に満ちた数字を誰が信用するでしょうか。派遣会社が企業から受け取る料金ではないかと思えるほどの常識外れの金額だからです。

労働者に支払われる賃金は、これの70%程度が妥当と思われます。現実的な数字のようです。多少の増減を加味して、時間当たり賃金は925円(8時間換算7400円)見当とみるべきでしょう。

以上の計算で1日8時間労働と仮定、1日当たり3200円弱が派遣会社のマージンになります。ずいぶんオイシイ商売をしている姿が見えてきます。グッドウィルのような悪質な日雇い派遣会社が、大量の登録を受け付けて、急成長していることも頷けます。教育もせず、人数さえそろえることで、「ぼろもうけ」できるところに問題があります。

その上、不明朗な「データ装備費」名目で1日当たり200円程度(20日働いて4000円)賃金から天引きしますから、労働者を犠牲にして、いかに荒っぽい商売をしているか、よく分かります。装備費を合算すると3400円(20日働いて68000円)ものマージンを計上しているのです。

派遣会社のマージン率は30%どころか40%にも達する勢いです。常識はずれのマージン率を規制しなければならないのに、厚労省はなにも対策を立てずに、これも野放しにしています。もはや、派遣会社は「神にツバする」ピンハネ産業になってしまいました。この「神にツバする」業界を支えているのが政・官界です。ハローワークがありながら、安易に民間開放したことで秩序のない労働環境になってしまいました。政・官・財そろって誰も責任を取ろうとしません。

そして、政・官・財が発表する、もっともらしい数字に惑わされないで、隠された中身を注意深く読み取ることも大事なことです。