活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

グッドウィル処分は「氷山の一角」

2008-01-02 22:44:02 | Weblog
悪名高い、日雇い派遣大手のグッドウィル(以下GW)が各地で違法派遣を繰り返し、厚生労働省から年明け早々、事業停止処分を受けることが分りました。停止期間も長期に亘ることから、大勢の労働者の仕事が失われる可能性がでてきました。

以前からGWは禁止されている建設や港湾荷役業務、更には二重派遣等が常態化していることが噂されていました。

儲けるために手段を選ばず、違法の限りを尽くしていたようです。GW自体は潰れても救うことはありませんが、肝心の仕事の無くなる労働者は失業保険も適用されないことから一番の被害者といえます。まったく保護されていない実態が浮き上がりました。

このように日雇い派遣には数多くの「落とし穴」があることを気付きながら厚労省は労働者を保護する対策を、なにひとつ取ろうとはしませんでした。

登録型派遣を禁止しない限り、労働者を守ることが出来ないことを重々承知しながら、経済界に遠慮して、これを放置していた実に怠慢な無責任行政がまかり通っていたのです。

だいたい、この人材業界が携帯電話一本で商売が成り立つこと自体に、問題意識を持たない無能な役人ばかりが揃っていたために、違法行為が野放しにされてきました。

これを機に、登録型派遣の禁止と常用雇用の原則を確立するための法改正が必要ですが、残念ながらこれも見通しが立たないお寒い状況です。

今回、派遣元のGWが処分され、派遣先は免責されていますが、違法行為に荷担していたこと想像に難くありません。ここに於いても、労働行政の怠慢が見られます。

派遣先の上場企業でも違法を知りながら、労働者を受け入れていた事実は隠しようがないからです。それでも責任を問われることはありません。なんとお粗末な法律でしょう。せめて派遣元、派遣先の共犯関係を立証する責任を厚労省は負っていますが、これさえ投げ出しているのです。無責任行政ここに極まれりです。

いまや、GWは氷山の一角で派遣先、派遣元が一緒になって違法行為を繰り返し、労働者を弄ぶようになりました。権力がそれに悪乗りして手を貸している現実に目を離すことができません。権力は常に経済界の利益に配慮し、労働者には不利益を平気に押し付けるからです。