活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

労働市場違法の「カラクリ」

2008-01-10 21:45:00 | Weblog
長時間労働で体を壊すほど働いても、所得の向上しない貧困層が増加の一途をたどっています。向上どころか逆に下降していると言われていますから、極めて劣悪で格差の激しい労働環境であると言えます。

経営者は国際競争力を維持のためといいながら「賃上げはむずかしい」といつものとおりの常套句を並べ正当化することに躍起です。これが、すべて「真っ赤な嘘」でした。

史上最高益を出しても、内需の拡大を怠ってきました。利益を労働者に分配せず、株主と経営陣で山分けしていたからです。うまい汁を吸えるのは労働者の犠牲の上であることを忘れ、いつの間にか労働者を単なる商品として扱うようになりました。

これを知るには、経済界が悪どい手口を使って人材業界と巧妙に結託、無責任政治もこれに加担、低賃金労働のシステムを広く完成させたことにあります。

規制緩和で労働者を保護する法制度が改正される度に、これを次々と悪用し始めたのです。

阿漕な人材会社では二重、三重と違法な多重派遣で利鞘を稼ぐことを思い付いたのです。行政の立ち入りを逃れれば、紙切れ一枚のペーパーカンパニーでも事業が成り立ち、中間搾取ができる世界が誕生しました。

その結果、働く貧困層の温床である「労働ダンピング」が、日常横行するようになりました。善良な労働者を安く回転させることで、人材会社間で労働者を融通し合う実態は、「人身売買」そのものといえるのです。

先進国、日本でこのような違法労働行為が広く浸透してるのです。賃金も下がり続けている最大原因がここにあるのです。

このメリットを最大に享受しているのが経済界ですから、いまの労働界の現状は彼らにとっては「思う壺」状態と言えます。

世間でよく言われていることですが、「中身のないおバカさん」でも黒字経営ができるようになりました。めっきり、倫理観のある経営者が少なくなったのも頷けます。

日本に明るさが戻らないのは、この現状を自民党、民主党ともに労働者の苦しい立場に思いを馳せない政策を続けていることにあります。解決しようとする姿勢がみられません。いま、急がなくてはならない問題が、どんどん先送りされていることは、国民不在の政治が相変わらず、行われていることを示しています。