Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

メメント・モリ

2009-12-25 21:10:23 | 読書ノート
「メメント・モリ」を注文する為に、いつもの本屋に行きました。
念の為、写真集の棚を探しましたがありません。

何気なく文学の棚を見ていると、文学作品の間に「メメント・モリ」が慎ましくありました。

思わず「えっ!」です。

僕のために、そこに慎ましくあったと想ってしまいます。


「Memento-Mori(死を想え)」(藤原新也 三五館) 

藤原新也の写真と一行詩(?)を堪能します。


火はアナキズムである

2009-12-24 18:23:23 | 未分類
昨日夜、彼女と友人宅にお邪魔しました。
コーヒーと四方山話の楽しいひと時を過ごしました。

奥様が彼に、「メメント・モリを。」と話しました。
彼が、その写真集を見せてくれました。

藤原新也の写真の一行が、ナカナカのものです。

例えば
「死の瞬間が、命の標準時。」
「原初(はじめ)に、母の乳の海があり。」
「死体の灰には、階級制度がない。」
以前書きました
「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」 ・ ・ ・

特にお気に入りは、「火はアナキズムである。」です。

声に出して読み上げた後、「愛はアナキズムである。」と言ったところ、彼女も奥様もひと言「違う!」と反駁されました。



最初の版は絶版となりあきらめていたのですが、別の出版社から新装版で出ていることを知りませんでした。

いつもの本屋さんに注文します。


韓国併合100年 その1/3

2009-12-23 08:51:19 | 未分類
来年は大日本帝国が韓半島を併合して100年目にあたります。
世界1月号において特集「韓国併合から100年――現代への問い」が組まれています。

かなり反リベラル的な事柄をメモします。

韓半島の方の日本についての書籍を読むと、常に違和感を覚えます。
その様な事が重なっているため、姜尚中の言説はまったく知りませんし、読もうとしたこともありません。
討議と銘打って和田春樹 (東京大学名誉教授)、藤原帰一 (東京大学)、 姜尚中 (東京大学)の3氏が「朝鮮植民地支配とは何だったのか――「帝国」日本と現代」のテーマで対談しています。

案の定、姜尚中の発言に同様の違和感を覚えました。

かつて北朝鮮は、社会主義の「優等生」だったと発言していますが,単なるデマゴギーに汚染されているだけのことで、当時の北朝鮮を直視しません。
韓半島、朝鮮人そのものの事柄になると「IF」とし仮定の言説を話し、本質を語ることを避け、表層的に「良い」、「悪い」、「止む得ない」とだけ述べています。
このような箇所が2箇所ありました。(同誌147P、155P)
単純に、歴史を語るのに「IF」はないでしょう、と。

彼の修辞法なのでしょうが見え透いています。(他の二人は、突っ込みません。この二人のスタンスがおぼろげにニオイます。)
小中華としての矜持の裏返しなのかもしれません。

あまりにもお粗末ですが,あえて朝鮮人の「苦渋」を体現しているのかもしれません。



世界10年1月号(岩波書店)


奸臣と忖度

2009-12-21 19:45:50 | 未分類
天皇陛下と習近平国家副主席との会見をめぐって、国事行為、公的行為が論議となっており、憲法云々とあきれてしまいます。

憲法第7条第10号に「儀式を行ふこと」とありますが、会見は他国の元首級の方をお迎えする儀式と位置付ければよいだけのことと考えます。

一連の報道を見ていて、羽毛田信吾宮内庁長官なる人物は悪質と考えます。

意味不明の「1ヶ月ルール」を持ち出して、あたかも天皇を守るスタンスで会見しながら、最後は天皇ではなく保身に走りました。
本来、宮内庁長官が政治利用と考えるなら、意味不明の「1ヶ月ルール」を貫徹し、職を賭して(解任を求めて)拒絶すべきです。

ためにする会見を開き、現在の騒ぎを起こした張本人です。

羽毛田信吾は、以前にも、皇太子殿下に「苦言」とやらを呈して皇太子夫妻バッシング報道を発火させました。
また、羽毛田信吾は老保福祉局長のときノーパンしゃぶしゃぶがお好みだったようです。(「ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」顧客名簿」(平成10年2月26日論壇)より)

奸臣(君側の奸)の典型です。


NHKスペシャル「証言ドキュメント永田町・権力の興亡 第3回」より

小沢幹事長がトンデモ発言を放ちました。

「誰が作ったか調べてからもう一回、質問して下さい。ルールを無視していいといっているわけじゃないよ。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対というそんなバカな話があるかっていうんですよ。天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」(「皇陛下と習副主席の特例会見問題をめぐる小沢氏会見の要旨」09.12.14産経より抜粋)

天皇の心中を「忖度」する発言は、戦前の軍暴走の拠り所となりましたが、現在、再び耳にするとは ・ ・ ・

「象徴」には実態はなく、市井人の虚構の観念で成り立っていますが、その虚構に実態を与えることになり、民主主義にとって大変危険な発言だと考えます。

この小沢の発言に激しく抗議します。

*32年テーゼで日本共産党が「天皇制」を造語しましたが、天皇家そのものに興味はありませんが、天皇制に関心があります。


日本辺境論

2009-12-12 08:15:49 | 読書ノート
雑読ベストテン 余話

秋以降の雑読のベストテンをアップしましたが、これは今月始めに書き終えており、その後何度か本屋に漁りに行っており、購入した中に、これはと思う本が二冊ありました。

そのうちの一冊が、「日本辺境論」 (内田樹 新潮新書) です。
著者はレヴィナスの翻訳をしているようですが(著作もレヴィナスの存在論も未読)、僕には初見の書き手です。

南に向かうは腐肉街道、北に向かうは骸骨街道のイメージがあり、ひたすら「北へ」です。
極北を越え、さらに絶対零度へ向かい、全ての素粒子が停止し、思考も停止し、万物が動き出さないイメージを持っています。

極北への途中の「辺境」の言葉に釣られ、購入したものです。

で「日本辺境論」なのですが、微妙な熱があり筆が走りすぎており、如何様にでも批判的に切り込めます。
そのことを差し引いても、充分に読み応えがありました。

丸山真男、澤庵禅師、養老孟司、白川静、司馬遼太郎、梅棹忠夫、川島武宣、吉田満、山本七平、池部良、親鸞、鈴木大拙、ヘーゲル、ハイデガー、マルクス、西周、中江兆民等々の思考を「辺境」という演算子で日本、日本人(思考)を捉えなおし(解釈)ています。

この新書で「考えられた事柄」ではなく、その「考え方」により、妄念に解き放しています「僕の共同体論」に滓のように纏わり付いている他者との親和性の輪郭を明確に照射しました。

また、「嘘つきダイヤモンド」にも書きました「抒情を装った湿っぽい感傷(他者との親和性)」に対する拒絶感は、そのものが自分自身に内在していることの蓋然性を意味していますが,その輪郭を明確に照射しました。

具体的内容のメモはしませんが、僕的には、今年1年を通して読んだ数十冊の新書において、新書ベストワンとします。

単に「辺境」の語彙で手にしただけのことなのですが,これが雑読の醍醐味であり、止められない理由です。


「日本辺境論」 (内田樹 新潮新書)

ヤバイ!
基本的にベストセラーの類は読まないのですが、今日(12/7)紀伊国屋HPの新書ベストセラーで1位になっていました。
これは、僕的にはヤバイことを意味します。

追記
雑読ベストテンのアップを始めたところ、彼女に言われました。
彼女「ベストワンは何の本?」
僕「勿論、○○系と□□系の4冊だけれど、書名は伏せるよ。」
彼女「頭を取ってローマ字で、○アンド□としたら。」
僕「嫌だ!」