低気圧の通過に合わせて、吹雪いたり晴れたりしている雪国固有のリズムを小樽の街は繰り返している。
起きると翆は、股間が痛いよー、といって店へ出かけていった。今日はMacを携えて、いつもと反対方向の坂道をあがってゆく。程なく赤レンガタイルの図書館が見えてくる。
図書館にいながら、沖縄の文献をレファレンスで探してもらっていた。クロッキーモード目線で若いライブラリアンの裸体をイメージしながら、夕べの翆との乱れたシーンを思い出すというのは不謹慎だろうか、それともこれが平和というやつだろうか。暖かい室内から吹雪いている小樽の街が垣間見える。
書架から日経MJを取り出すと、若い女性オジサンズ愛だって。お笑い芸人岩井ジョニ男がシンボルだって、甘えたいだけなんだ。ああ、若いボディは、すべて締まっていて気持ちいいよね。でも、女はそれだけじゃないからなぁ・・・。
女はボディだけじゃ飽きられる。なら、勉強して知識を蓄え、仕事の経験を積み、中身の豊かさをストックしてゆくと、やがて、これならどんな男とでも満足な話ができる高水準にたどり着いた。そこで若い男に声をかけてみた。そのとき思わず自分の姿を鏡でみたら、70過ぎのおばあさんになっていた、という小説を読んだことがある。
多分人間は、常に新しい情報を取り込みつつ、過去を消去しながら、生きてゆくのだろう。だから到達点とか、完成とか、無縁なのが人間だろう。それはストックではなくフローの人生だ。だから逆に一瞬、一瞬の出会いが意味をもってくる。
・・・
図書館で、そんな思考回路の1日をすごし、夕方遅く、板塀の民家の脇をすりぬけて木賃アパートに帰ると、翆が食事の支度をしていた。翆の後ろ姿をみていると、いとおしくなってくる。
翆「あら!、どうしたの、そんなに私のお尻をなでて、お腹空いたでしょう?・・・」
そのまま翆を抱きかかえて座敷にゆき、翆のパンツを全部おろし、身体のずっーーと奥までいれてしまった。
翆「そんなに激しく突くと、痛いよーーー」
冷たい大腿部で翆の腿を感じながら2つの下半身をピッタリ合わせて、翆はのぼりつめてゆく、やがて二人で果ててしまった。
終わったあとも翆の尻をずーーっとなでていた。ドクドクとした鼓動や息づかいが心地よくて、ああっ!、生きているんだと思いながら、そのまま寝てしまうところだった。
翆「今日はそんなに興奮してどうしたの?、きっと図書館で悪い本でも読んだんだぁー(笑)。さっ、夕飯にしようょーーー!」
・・・
雪が激しく降ってきた小樽の夜だった。