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フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編486. スケマティックデザインの世界14. 近未来集合住宅の3DCG

2021年08月25日 | Design&3DCG

 

 ようやく当初私がイメージした世界に近づいた。しかし近未来どころか現代の集合住宅みたいだ。ここまでやってきたのに、なんだぁーの世界である。

 気を取り直して、各住戸は、全て3面採光でリビングルームは南面している。反対側のキッチンの方からの風がリビングの中を通り過ぎるので涼しい。これまでの倍の広さの空間、住戸の奥行き3m以上ある広いテラスからはプランターに樹木が生い茂り花々が咲き乱れる。床に芝を引いてもよいだろう。自分の家の庭の感覚ですごせそうだ。

 玄関をはいると先ずリビングルームが広がる。リビングルームには、ワーキングスペースが控えめについている。ホームワークなど家で仕事をする機会も増えてくるだろう。そしてオープンキッチンの背後には、テラスモーニングができる程度のテラスを設けている。

 リビングルームは、家族の団らんの場であると同時に、時には招かれたゲストが容易に立ち入ることもできる空間として設えている。これまでのマンションのように子供室をすりぬけてリビングルームに到達するというのとは大きく異なっている。

こうしたパブリックゾーンから扉を抜けるとプライベートゾーンになる。右側には最大4人は入る子供用室やゲストルームとなり、それ専用のバストイレが付属する。

さらに廊下を進み2番目の扉をあけると、プライバシーの高い空間にたどりつく。屋外の専用テラスを全面にながめられるカラス張りの開放的な主寝室である。主寝室といっても、寝るだけの部屋ではない。一寸した雑用をしたり、誰にも邪魔をされたくない仕事に没頭したりと、主のテイストで使い方が決まってくる、そういう空間なのである。だから主寝室ではなく主人達の部屋と呼ぶ方が適切だ。開放的な空間でありながら、専用テラスの植栽がプランバシーを確保している。ここからはウォークインクローゼットやバス・トイレが続き、そりでいて他者が介在することがないプライバシーの高い空間としている。そう隠りたい空間である。

屋上庭園では、落葉樹のアカガシワが成熟し、屋根への直射日光を遮り建築の温度を下げている。そして中央の尖塔上のガラス屋根の間にはソーラーパネルが仕込まれている。太陽光発電は、発電容量が極めて小さいので共用部門の電力がまかなえればよい方だろう。だからアトリウムには日中の光がサンサンと届く明るい階段ホールである。敷地には常緑樹のハンノキが列をなしている。こうした環境共生型集合住宅が近未来の姿の一つと考えた。

 さて制作過程でテラスなどに植栽を配置し出すと、メモリーを増設したMac proでも処理速度が大変遅くなるのが悩ましい。こうなると最新のMac proに置き換えるほかないが、これは今では古いインテルプロセッサーだしトランプ対策で米国内生産だからすこぶる高い。いずれM1チップを搭載したMac proが登場すると思われるが、こちらを待ちたい。

 そんなわけで計画した植栽の半分もゆかなかった。もう少し効果的に身近な植栽がわかるアングルもつくろうと思う。

 住戸の間取りといい3面採光といい、今のマンションでは果たせなかった住宅仕様なのだが、建築外観をみると、どうも今のマンションが少し上品になった程度だ。もうすこしデザイン的に遊べばよかった。

 さらにVUEのレンダリングが、昔のバージョンと比較すると今一の発色なのである。もちろん空気を表現するランドスケープソフトだから彩度の低い発色なのは当然だが、建築が地味すぎる。なんでこんなつまんないソフトになっちまったか。

 まあそんな制作過程の話はどうでもよいのだが、この一連の近未来集合住宅シリーズの出発点は京都市伏見区にあった旧名称:桃陽台団地のスター型住棟(注)にある。この空間コンセプトをもとに、現代の解釈でつくるとどうなるか、それをここで実験してみたわけである。当然居住性能はすこぶる高い。

注)Nikon Freak560. 普段使いの京都2.  スター型のデザイン 2021年6月18日

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