Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Field work.677. 専門書を読む、論文を読む、そして映像を試みる

2022年07月28日 | field work

 

 アメリカ人の文章でよく出てくるフレーズに「新しい事なので本を読んだり論文をよんで勉強しました」というのがある。

 論文を読むというフレーズがよく出てくる。特に研究者ではないのに論文を読むことが日常的なのかなと私は考える。論文は、研究者だけのものではなく国民の知の財産の一つである。そうしたフレーズが日本人との会話には先ず出てこない。そればかりか学術団体以外の記述を論文と勘違いしていたりするなど知の認識そのものがおかしいと思われた経験もした。知への理解を正しく教育されなかった困った現象だ。

 教育水準を示す統計はOECDを初めとして数多いが、WEBのBuisness Journal(2022.01.13)記事(注)だと、スイスビジネススクールの人材ランキング「IMD」だと世界35位と紹介していた。この統計がいつのものであるかは記事には書かれていない。こんな稚拙な事が日本の文章で散見され、「あっ、うっかり忘れてましたぁー」、なんていわれるぐらいにお粗末な頭なのが平均的な日本人の教育水準だと思うほかない。

 私の書いた論文は、国会図書館の文献検索で100本以上の論文が検索でき、全て公開されている。だがこの押し黙った空気はなんだろうか。知の権威主義が背後にありそうだ。

 それを示す現象として、パンデミック下のメディア報道がそうであった。すぐに専門家を呼んで知見を述べさせる。専門家が言うのだから信じなさい、とする知の権威主義である。その専門家も特任教授の肩書きが多く、つまり非常勤講師と変わらない。それだけ感染症は、学問対象となりにくい分野だから、現役の研究者も少ないのだろう。

 であれば、自分で本や論文を読んで勉強すればよい。それは面倒くさいので専門家の意見を聞いてすます。そうした勉強をしない耳学問の人間達が増殖しTwitterなどに投稿するから、役立たない情報でWEBは満載される。そんなふうに日本のWEBサイトは成立してくるのだろうか。

 今回も映像の勉強で30分間の薄暮を撮影した。フレームレートをおとす、つまりタイムラプス撮影。試みて気がついた事がある。それは露出オートだと、カメラは最後まで適正露出にしようとする。そこで映像はシャッター速度1/30以下では撮影できない事を利用し、そのまま撮影して意図的に露出不足にし、なんとか夜になった。人間の目とは違うデジタルが見た薄暮か!?。人間の眼も視覚情報を頭で補正して見ているので、光の変化がデジタル上どうなるかについては、もう少し勉強してみないとわからない。

注)出典:https://biz-journal.jp/2020/01/post_134511.html(文=大﨑孝徳/デ・ラ・サール大学Professorial lecturer)

 

東山・薄暮

追記

 ニュースをみていて、これは立証が難しいと思ったのが、東京オリンピックに関する受託収賄罪容疑である。

 アオキから高橋元電通役員が経営するコンサルタント企業へ4,000万円が流れたとする話が発端だ。この現金の流れは法人企業間の事であり、経理書類は残されているはずであり、高橋役員もこの当時にオリンピック理事に在任していなければ、受託収賄罪成立の可能性は低い

 検察が動いたのは高橋理事がみなし公務員理事就任後に、便宜をはかった証拠をつかんだからではなかろうか。例えばオリンピック委員会理事就任後にアオキなどの民間企業から宴会供応等を受けた領収書があれば、みなし公務員の違反行為になるので、最初のとっかかりとして受託収賄罪が成立する可能性はある。関係者の会社や自宅のみならず、退社した電通本社や東京都庁まで捜査が及ぶことは、そうした片鱗を探しているのだろうか。メディアは方向違いの報道をしていないで核心を探るべきだろう。

 こういうとき検察側は、つまらないことから収賄罪を成立させ、さらに大きな構造の収賄容疑に踏み込もうとする検察側の意図がありそうだ。それは難しい挑戦に挑んだと思う。部外者であるこちらは、プロジェクトXばりの見物を決め込んでいる。

コメント
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