Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編396. 講義抄録・地域空間構成論第8講 夜の街論

2019年01月26日 | Nagoya city

図1.函館市の薄暮

 

 街のナイトライフを考えると中心に来るのは物理的な意味での光だが、ここから言葉上3要素が引き出される。それが「陽」、「灯」、「火」という概念だ。

 ここでは「灯」、すなわち灯と闇を楽しむという概念をとりあげブログに要約を記している。光があれば闇があり、それらのバランスで街の夜の景観が成り立っている。すくなくとも、夜を昼間のように明るくするだけでは光害になるだけであり、そこに方法論が必要になってくる。

 それが夜の街のライトアップであり、都市ランドスケープでのライトアップであり、夜市や屋台、あるいは京都のお寺さんで行われている夜間拝観などが該当する。そんな方法論のいくつかを画像で紹介する。

 

図2. アテネ市リカベストの丘のライトアップ  地形というランドスケープ全体をライトアップするというのも、大胆な方法だが、もともと街の中に忽然とそびえている小さな山なので、ライトアップする効果もある。

 

 

図3. パルテノン神殿のライトアップ アテネには幾つかの丘が街の中に存在する。それはどこか横浜市のようでもある。そんななかで2つのシンボル的な丘がある。前述したリカベストの丘とアクロポリスの丘である。丘から遠くの丘をみるという夜の景観もどこか幻想的である。

 

図4. 隅田川永代橋のライトアップ 隅田川架かる橋のデザインはそれぞれ個性的である。そうした個性に合わせてライトアップがされている。全てが違う面白さを土木構造物が表現している。

 

図5. 福岡市中州の屋台である。ここには、屋台用の電源、熱源のコンセントと、排水用のパイプが各屋台毎に設えられている。だから屋台がほぼ永続的に続けられる。近年はラーメン屋の屋台ばかりなのだが、かってはもっと料理のメニューが豊富であった。

 

図6. 香港市ナイトマーケット 夜だけ自動車を閉め出し、露店が建ち並ぶ。それも相当数の露店だ。香港の生活市場といってもよく、狭い空間に多くの市民が立ち寄り、大いに賑わっている。

 

図7. 京都市社寺の夜間徘徊 桜の頃と紅葉の頃に期間限定で、市内の幾つかのお寺で夜間拝観が行われて、もう10年以上たつ。やはり夜の景観は、昼間と違った美しさがある。もちろん多くの人々がおしかける。

 

図8.コペンハーゲン市チボリ公園 1843年に開園された公園で、通例夜の24時頃まで開いている。もちろん市民の憩いの場であるとともに、夜の街の楽しさを表現している優れた公園である。

 

協力:面出薫

参考文献:三井不動産S&E研究所/北山創造研究所編:まちづくりの知恵と作法,日本経新聞社,1994,p163-198.

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする