書道家Syuunの忘れ物

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「新聞の経済記事は読むな、バカになる」日下公人・渡邉哲也を読む

2013-03-04 23:42:48 | 映画、書評など


この本は、日下公人氏と渡邉哲也氏の対談集なのだが、表題通りのことは書いていない。
日下公人氏というのは、日本人が当然と思っていることが「外国人から見て当然ではなかった」という「コロンブスの卵」の様なことを言う人で、それを冒頭爆発させている。

序章・日下公人「ガラクタ評論家を総入れ替えせよ」の中に、「アメリカ26州が親日ならアメリカを日本のために動かせる」という項目がある。
これは日本が延々と文句を言う人物や場所に「金や工場誘致」などを繰り返して懐柔しようとして失敗していることが述べられている。
日本は、「チャーチという反日で鳴らした上院議員がいた。」・・・「(当時の)通産省はこの議員の地盤である州に日本企業の工場を懸命になって押し込んだが、・・・・・・」
「そのお陰でチャーチはまた当選した・・・」
「放っておけば、彼は落選したのに、日本は反日の国会議員を増やすようなことをした(米国上院議員の苦情)」
・・・・・・・・・・・
これというのは、昔の自民党田中派のやり口だなと思う。以前にあの橋本龍太郎氏は文句が出ると「金をやれば良いのだろう」と言っていたことを思い出す。
このことは、橋本龍太郎氏のハニートラップにも関連して、中国に当時の日本にもなかった様な60億円ぐらいの超豪華な病院を無意味に作った週刊誌記事をも思い出す。

この「文句、苦情を言えば金を出す」というのは、考えてみればその後に多くの問題点がで出来てしまっている。
その一つは沖縄問題で、以前に日本の防衛問題に理解がある住民は何も文句を言わなかったら何一つ保証も出ない。その一方で難癖を付ければ湯水の様な「金が出た」という記事もあった。
それは韓国、中国でもそうで日本に文句を言えば、日本は「事なかれ主義で」ODAの無償供与やよく分からない保証金が---日本国民の知らないうちにいくらでも出た。
それで国が困れば日本になん癖を付けて金をせびるという「道楽息子」の様になってしまったのかもしれない。
それが戦後レジュームからの脱却で、「金が出なくなれば」道楽息子がやることは決まっている。
まさに考えされるものである。
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この「序章・日下公人」の「コロンブスの卵」の最たるものは、表題の「○○○○ガラクタ評論家を総入れ替えせよ」の「ギブ・ミー・チョコレート」の逸話に代表される。

この「ギブ・ミー・チョコレート」とは、終戦直後ジープに乗ってやってきた米兵がガムやチョコレートを配り、それに対して日本の子供たちは「ギブ・ミー・チョコレート」と言って群がったという話。
このシーンは、今では見ることはないがその昔の日本映画には良く出て来た映像である。
ここで、この「ギブ・ミー・チョコレート」という子供たちをどういうふうに解釈するかが問題でもあり、「コロンブスの卵」である。

ここで昭和二桁以降の評論家たちは、「私はもらわなかった」とか言う。
ここで日下公人氏などの昭和一桁から見ればどう見るのか、という視点はなるほどと思わせる。
要するに、物事を捉えるのに必ず相手の視点に立って考えるということであろう。
こういう行動を取ったときに、相手はどういうことに出るのか相手の立場にとって考える。
そうすれば物事、余り間違いなく納められると言うことである。
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だから外交も日本人の思い込みによって、日本人の思考回路と同じと外国人を見るというのは「愚の骨頂」ということが思い知らされるわけである。
考えてみれば、例の尖閣諸島で中国漁船が日本の巡視船に体当たりして船長が逮捕されたとき。
日本のある建設会社が、車でノコノコと危険区域まで出かけて拘束されるという失態。
こんなのはどう見たって今から思っても「ノーテンキ」としか見えない。

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その後の第1章以下「ユーロ危機で解る世界経済の実相」という対談部分は、欧州の内輪の話。
その欧州というのが未だに「王族」、「貴族階級」、「超富裕層」が上部の実権を握っているという話。そして、その王族、貴族というのには「国、国籍」も関係ないという実態。
又、その中で「ヨーロッパのように爵位を日本も高齢者に売って税収にせよ」というのには実に面白い。
考えてみれば、日本は立憲君主国だから爵位を持つ貴族がいないというのは実に不自然である。これはそもそも占領軍(進駐軍GHQ)のニューディーラーが廃止したわけで、「戦後レジュームからの脱却」ならばGHQがやったことは廃止しても良いかもしれない。

フランスのアンシャンレジーム時代は、貴族の爵位は簡単に買えたから偽貴族ばっかりで紳士に石を投げれば伯爵に当たるというほど貴族が多かった。
ルイ15世の公式愛人のデュ・バリュー伯爵夫人も元高級娼婦上がりの偽貴族だったことは有名であろう。
ナポレオンの帝国貴族はもっと多かった様な気がする。

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第4章「公共事業で地域は復活するか?」の部分になるともの日下公人氏の暴走老人発言ばかりであった。

「完全雇用に近いので、どこに行っても仕事があります」というのは実態にそぐわないし、「地方のインフラは整備せず、すべて都会に住め」というのは東京などの都会人の感覚という違和感があるものだった。

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