書道家Syuunの忘れ物

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情報を複眼的に見ない日本の不思議さ

2007-10-21 14:56:11 | 妙な情報社会
ミャンマー軍事政権に対する評価というものを見ると、情報がある一面から捉えられて複眼的な目で見られていないことに驚く。
情報というものは、常識としてある一定のバイアスの掛かったものであるというのは常識中の常識である。
特に、国際政治が絡んだ場合、ある一定の思想の元、その情報が伝えられると言う事は必ず押さえておかなければならない。
今回のミャンマー軍事政権というのは、米国流の思考とその報道に寄れば「悪の権化」と言う事になっている。
それがかってのリビアQaddafi大佐の様に「核」が絡んだりすればピンポイント攻撃もじさない米国だが、「核」もテロリストも絡まないミャンマーでは為す術がない。
そこで、経済封鎖という措置になった。
しかし、いわゆる欧米流の民主主義が普遍的ではないと言う事は、イラク政府を樹立してみた感じ明らかになりつつある。
米国人は、先の大戦で軍国主義国で、残虐で、非道の悪の権化であった日本を懲らしめて、平和的な戦争も出来ない国に作り替えたと勘違いしている。
民主主義というのは、米国のような一から作り上げた人工国家であるなら有効としても、元々民主主義的要素がない国には育たないと言う事は、もうすぐにも認めなければならない。
ところがそんな一方的な観点を押しつけると言うのが米国であって、他を認めないというのは妙なものである。一方、独裁国である中国に対してヒラリーなどは同盟国のような扱いをしようとするのであるから、ダブルスタンダートの国だ。
同じく、インドも米国の同盟国ではなく「核」を持ったとき、経済制裁を長くやっていたのにも係わらず、市場が有望とか、国力を付けてくれば同盟国扱いになる。
こんな米国の情報ばかりに頼っていると、いずれ馬鹿を見るというのは既に外交の常識だ。なぜなら、都合によっていつでも方向転換して、良いところだけ摘んで「負の遺産」は日本などに押しつけるからだ。

この様な情報の失敗は、戦前日本が少しは外交という事をやっていた時代、多くの失敗を経験している。
その一つは、ドイツが独ソ戦で既に負け始め敗走している事をドイツの駐在武官が陸軍省に伝達しても、ドイツ贔屓で何も見ない駐ドイツ大使がドイツ政府の報道のみでロシアは負けると報告し続けたことである。
結局、都合の良い方に解釈はなされ、パールハーバーは強行された。
又、同じようにある一定の先入観から、帝国海軍はミッドウェーで壊滅した。
その他、前の戦争からはいくらでも学ぶべき事はあるのだが、戦後失敗はひた隠しにし、米国追従のみ腐心して、外交というものをやってこなかった。
続く戦争音痴、軍事音痴の世代がマスコミ、政界、官界の主要な地位に占めることによって結局情報は一元化されてしまった。
ミャンマー情勢も個々の情報分析をすれば、マスコミ報道とは違った見方というのは容易に察しがつくのに、報道の一方的思いこみが先走っている。
考えてみれば、沖縄の集会11万人が虚構であったのに、政府の要人がそのまま新聞報道を鵜呑みにするという愚かなことが露呈した。
報道分析というものは常に必要なのである。
週刊新潮に「スー・チー女史が『希望の星』という『ミャンマー報道』は間違っている」と題して、 元ミャンマー大使の山口洋一氏が述べ、テレ朝系に出演したらしい。
そうしたら、朝日のコメンテーターが散々と反論していたという。
しかし、そのコメンテーターは何に基づいて言っているかと思うが、ある一面的な「思考」即ち、「ミャンマー軍事政権」は「悪」という概念から抜け切れていない。
同じ現象を見ても全く違う取り方が出来るのは、ミッドウェー海戦での偵察行動の失敗に見て取れる。
「アウンサンスーチー女史」はキリスト教徒、「ミャンマー軍事政権」は仏教徒。
これだけでも、色々考えさせられる事があるのではないかというのか当たり前だろう。

もし、これで分からなかったら、ミャンマーについてコメントする資格はないと言うのが真実ではないだろうか。

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